SDGs

令和5年 ひょうごSDGs Hubと関西SDGsプラットフォームに加盟しました。

更に環境省のデコ活にも参加しています。

我々が以前から取り組んでいるのは正にこの『気候変動に具体的な対策を』になります

このページは大きく3部構成で纏めています

  • COP28で提言された世界規模の冷却に関する誓約について
  • 去年年3月に規制が強化される太陽光発電とSDGsの考え
  • 実際の住宅に設置した太陽光発電2.8kWのデーターや収支見通し

令和6年9月 環境省デコ活経由:最新の気象情報他

デコ活関連の脱炭素ポータルより、日本の気候に今何が起きているのか ~気候変動の最新情報~というメールが届きました。

最新の情報といっても去年までを纏めた資料ですが、温暖化が一段と進んだ傾向が理解出来る国としてのオフィシャルなデーターなので、関心が有る方は下記リンクからご確認ください。

脱炭酸ポータルサイト(環境省)

令和6年8月 環境省デコ活からの連絡

国連広報センターでは、メディアと共同で展開している気候キャンペーン
「1.5℃の約束 ? いますぐ動こう、気温上昇を止めるために。」の一環で、
SNSムーブメント「何もしないともっと暑くなる」を実施しています。
厳しい暑さに見舞われているこの夏に、SNS投稿によって広く市民に気候変動を食い止める
アクション(行動)を呼びかけ、その輪を広げることを目指しています。


COP28で提言された世界規模の冷却に関する誓約について

地球の温暖化は40年前に見た真鍋博士のシュミレーションよりも確実に加速しています。

それを裏付けるかのように2023年の世界平均気温は産業革命前より1.48度上昇したとEUのコペルニクス気候変動サービスが2024年1月9日に発表しました。

この2023年の高温が催促したのかCOP28では冷却・冷房に関して61カ国で第一歩となる誓約が結ばれました。

発表された内容は多岐に渡り、今現在では『2050年までに冷房関連の温室効果ガスの排出量を、2022年と比べて少なくとも68%削減する』という短いコメントに要約されいます。

いずれにしても、やっと冷房機器と温暖化の関係性が脚光を浴びたと思っています。

実は日本でも気温が上がるにつれてエアコンの普及率は増加し、内閣府のデーターでは1970年(5.9%)、1980年(39.2%)、1990年(63.7%)、2000年(86.2%)、2010年(89.0%)、2020年(91.0%)と、我々が提言しているCO2の削減にはエアコンの使用率を下げる必要があるという考えが理解頂けると思います。

更に今後インドだけでも1年後に200万台、2年後に300万台の需要が見込まれており、エアコンの室外機の熱が温暖化を加速させる現象はもっと重要視されると予測します。

(特に都市のヒートアイランド現象は加速すると見込まれている)

YouTubeの発表動画を見るともっと細かい問題点も発言されていますが、下記にCOP28のオフィシャルサイトに掲載された誓約内容を引用します。

この文の冒頭にある受動的冷却は、そのままWindリーダーの開発目的と一致しています。


COP28で61か国が誓約した冷房に関する誓約の内容とは

持続可能な冷却とは受動的冷却、効率の向上、地球温暖化係数 (GWP) の低い冷媒など、2050 年までに冷却活動による正味ゼロ排出を目指すすべての冷却部門および用途にわたる活動を指す場合があることに留意してください。

世界の平均気温上昇を 1.5 ℃ に抑えるという一貫した道を歩むには、温室効果ガス (GHG) 排出量を削減し、人類の健康をサポートする熱ストレスから保護することにより、気候緩和と適応戦略の両方として機能する持続可能な冷却を実現する必要があることを認識します。 - 食品ロスを削減し、医療と医薬品へのアクセスを向上させ、エネルギー転換を支援する。

持続可能な冷却への移行がなければ、適応戦略としての冷却は GHG 排出量の増加をもたらすため、持続可能な冷却に関連する適応戦略と緩和戦略は連携しなければならないことを認識し、

世界の平均気温の上昇を産業革命前と比べて2℃未満に抑え、温暖化を1.5℃に抑える努力を続けるというパリ協定の目標を達成するには、2030年までに世界的に大幅な排出削減を達成しなければならないことを認識し、冷房活動からの排出に対処することは、この取り組みの重要な要素であり、2050 年までに冷房からの排出を実質ゼロにする道筋に私たちを導くのに役立ちます。

持続可能な冷却に関する国際協調行動により、現在から 2050 年までに 780 億トンの CO2e を節約し、数億人の生活を改善し、巨額の経済的節約を実現できることを認識し、

持続可能な冷却方法には、環境に優しい低 GWP 冷媒への安全な移行が含まれることを認識し、これには、ハイドロフルオロカーボン (HFC) の段階的削減のためのモントリオール議定書のキガリ修正案の実施を通じたものなど、環境に優しい低 GWP 冷媒への安全な移行が含まれ、これにより推定最大 0.5°C の温暖化を防ぐことができます。 2100 年以降、HFC の段階的削減と並行して冷却効率を改善するための協調的な行動により、気候上の利点は 2 倍以上になる可能性があります (IEA-UNEP 2020)

「ヒートアイランド効果」により都市の温暖化は世界平均の2倍であり、GHG排出量が高水準で続くと2100年までに4℃も温暖化するということを認識している(UNEP 2021)

各国には異なる国内事情、ベースライン、および過去の効率化対策に基づくものも含め、冷却効率を改善する可能性があることを認識し、

2000 年から 2004 年と 2017 年から 2021 年の間に熱関連死亡が 68% 増加したことを認識している (Romanello et al. 2022)11億人以上が持続可能な冷房を利用できず、さらに29億人が非効率な冷房を受けており、特に女性と女児が影響を受けていることを認識し、

このことを認識し、熱ストレスの増加により、2030 年には世界の総労働時間が 2.2% 減少し、世界の GDP が 2.4 兆米ドル減少すると予測されています (ILO 2019)

持続可能なコールドチェーンの欠如により、全体の12%に相当する5億2,600万トンの食料生産が失われ、小規模農家の収入の大幅な減少につながっていることを認識しておく(UNEP-FAO 2022)それを認識すると、機械冷却は世界の電力消費量の 20% を占めており (UNEP 2023)世界の電力需要とピーク電力需要を満たすための発電容量の追加を促進する最大の要因となっています

再生可能エネルギーをベースとした冷却技術の数が増加しており、技術的に実行可能で、経済的に実行可能であり、地方、遠隔地、オフグリッドの場所で大規模に迅速に導入できることを認識し(IRENA 2022)高効率の空調ユニットが入手可能である一方で、世界中で購入されているほとんどのユニットの効率は入手可能な最高のものよりも 2 ~ 3 倍低く、冷却を国際エネルギー機関の 2050 年までのネットゼロエミッションシナリオに合わせるため、平均効率評価であることを認識しています。遅くとも 2050 年までにネットゼロ排出を達成するための「最初の燃料」としてのエネルギー効率と節約の概念と一致し、販売されるエアコンの台数は、2030 年までにすべての市場で現在の設置効率より少なくとも 50% 向上する必要があるそしてエネルギーの遷移。

このことを認識すると、受動的な冷却戦略により建物の冷却負荷を 25% 以上削減できます (世界銀行グループ、2020)

私たち、世界冷房公約の参加者である中央政府は、

世界の平均気温上昇を 1.5 度に抑えることと一致して、2050 年までに全世界で冷房関連排出量を 2022 年レベルと比較して少なくとも 68% 削減するという目標に向けて協力することを約束します。 2030 年までに持続可能な冷房へのアクセスが大幅に進展し拡大することにより、世界のネットゼロ排出目標の達成と一致します。この目標は、各国の国内計画や優先事項に沿った国内行動、および国際協力を通じて推進されます。

まだキガリ修正案を批准していない国については、2024年までに批准することを約束する。

HFC消費量を削減し、ヒドロクロロフルオロカーボン(HCFC)の段階的廃止とHFCの段階的削減に向けたエネルギー効率の改善を促進するための早期行動に向けて、モントリオール議定書多国間基金を通じた強力な行動を支援することを約束する。

国家冷却行動計画を発表し、国家行動計画を発表する際に冷却を考慮するか、2026年までに規制もしくは同等のものを発表することを約束し、パリ協定およびHFC段階的削減計画に基づいて国家が決定した貢献の設計に関連する取り組みを反映することを約束する。

国家建築基準を管轄する国、または管轄を持たない国の適切な新築および改築された建物に対して、受動冷却やエネルギー効率戦略などの市場に適切な対策を組み込んだ国家モデルの建築エネルギー基準を遅くとも2030年までに確立することを約束する。そのような管轄権を有し、準国家レベルでの建築エネルギー基準の採用を支援する。

高効率空調機器と革新的技術の市場普及促進を支援するために協力し、遅くとも2030年までに販売される新しい空調機器の世界平均効率評価を、世界の2022年の設置ベースラインから50%向上させるために協力することを約束する。

遅くとも2030年までに最低エネルギー性能基準(MEPS)を確立することを約束し、利用可能な最良の技術と利用可能なモデル規制ガイドラインに留意しながら、2050年までにネット・ゼロ・エミッションを達成することを目的として、それぞれの国内法に沿った野心と進歩を定期的に高めることを目指す。

可能な場合には、低GWPおよび高効率の冷却技術および革新的なソリューションに関する公共調達の方針およびガイダンスを確立または更新することを約束するか、遅くとも2030年までに公​​共調達におけるそのようなアプローチを促進する広範な取り決めが確実に実施されるようにする。

地方、遠隔地、オフグリッドの場所での再生可能エネルギーベースの冷却ソリューションや、GWP 150 未満の冷媒を適用した冷却システムの研究開発など、地域および国際レベルでの共同研究、イノベーション、展開活動を支援することにコミットする。

世界的な協力と国内の行動を促進するために、国連環境計画主導のクール連合などの既存の国際的な冷却排出削減と冷却アクセスの取り組みを支援することにコミットする。

可能であれば、フロン類のライフサイクル管理に関するイニシアチブなどを通じて、フロン類のライフサイクル管理、特に HFC 銀行への取り組みを追求することを約束する。

2030年まで地球寒冷化公約の目標に向けた進捗状況を毎年レビューすることを約束し、国連気候変動会議で専用のハイレベル会議を開催する。

当社の方針やコミットメントに関する最新の透明性のある公開情報を維持し、進捗状況のレビューやUNEPの世界冷却在庫調査などの関連レポートを通知することに努めます。

世界冷却公約の目標に向けてさらなる前進を図るため、国家行動計画を適宜活用することを約束し、必要に応じて 2030 年まで毎年、世界冷却公約における新たな公約を検討する。

地方政府や、民間部門、金融機関、慈善活動を含む非国家主体に対し、「地球冷却宣言」の実施を支援するよう呼びかける。


COP28公式サイトhttps://www.cop28.com/en/global-cooling-pledge-for-cop28より引用


本来SDGsを企業イメージ、ましてや企業収益に使うべきではない

去年の夏頃から地球温暖化のティッピング・ポイントが近づいているとか超えているという記事を見掛けるようになっていませんか?

ティッピング・ポイントとは転換点とか不可逆になる、もう戻れないという意味です。

因みに我々が危惧しているのは去年の夏より1度や2度暑かったとかでは無く、一気に穀物が取れなくなり世界的な食糧危機が発生する事態です。

それはティッピング・ポイントの前後では十分に起こり得る事態で昔から想定されている事の一つなのです・・・

  • 温暖化で食糧危機が訪れる事は専門家や国連事務総長を筆頭に他の国際機関も発言しています
  • 国連からダウンロード出来るSDGsのロゴは、名刺などに利用する場合本来申請が必要です。(資金調達目的と商業用途でSDGsロゴを使う場合に限り、国連本部の使用申請が必要) なので商品やCSRの一環でSDGsを謳うのであれば、その企業は真剣に取り組まなければなりません。(出来れば社員レベルから)

本当は少し考えれば判る、真にCO2を削減する手段

日本の大手電力会社10社は、太陽光発電の増加に伴い春先など出力制限を掛ける段階に入っています。

つまり日射のある昼間は太陽光発電からの給電が増加しており、逆に夜間の火力発電によって多くのCO2が排出されているのです。

個人で出来る事はWindリーダーで提唱しているエアコンの使用量の削減です。

何も道具が無ければ苦しいだけですが、Windリーダーで効率良く排熱してからエアコンを使う事なら誰でも出来る筈。

このような簡単な事をせず地球温暖化を他人事のように捉えても、あなたに関係する子供達が将来大変な目に遭う事は事実です。

2023年は1.47度(EUは1.48度)上昇したと算出されましたがもっと加速するリスクが有ります。

多くの人に正しい選択をして欲しい。

ワンポイント解説:COP28でパッシブ冷却の住宅を推進する議論も進められたが・・・

COPでは構造的に風を取込み易くするパッシブ冷却の新規住宅の議論が盛んに行われています。

(投資会社も関与していてお金を使って経済も回したい意図が見え隠れしている)

しかし深く考えれば冷房よりも暖房に使われる電気エネルギーの方が多い筈なので、固定の構造で冬に風を取込めば逆効果になるかも知れませんよね。

本当にCO2を減らしたいのなら冬は密閉で断熱性を高め、夏は窓を開けるだけで排熱効果が上がるWindリーダーとの組み合わせが理想的だと思います。

既に一定の高断熱住宅にお住まいの場合、ベランダ窓や腰掛窓にサッシを追加し、2重窓にする省エネ対策はお勧め、これは夏も冬も有効です。

リビングやダイニングでは床とサッシが同じ高さなので追加が出来ないケースもありますが、ベランダ窓や腰掛窓は多少古い住宅でも段差があり、窓が木枠で囲まれているので多くの場合はサッシの追加が出来ると思います。

又、補助金が出る地域もあり、今の電気代なら15年以内に元が取れると思いますよ。


メガソーラーは今後減る可能性有り、結論を先に記載すると・・・

去年メガソーラーに対する投資がらみで東京地検特捜部の捜査が入りましたが、恐らく今から土地を購入してソーラー発電に適した土地に改修し、ソーラーパネルの廃棄費用までを見越して売電収益を投資者に分配するのは難しい筈。

(収益分配はFIT開始年度だったら成立したかも知れませんが・・・)

SGDsにも関係する太陽光発電ですが、本来は収益を求めるのではなく地球温暖化が表面化した今は地球に生存する人(人間)の道徳的義務であり、これまで多くのCO2を排出していた企業、更に製品がCO2を生む企業に対しては社会的義務なのです。

去年2名ほどクーラーを使う事に罪悪感があるというコメンテーターを見掛けましたが、そのような方はソーラーパネルを付けると日中は気兼ねなく使えてソーラー発電量以内で使うクーラーや洗濯機は実際に火力発電によるCO2は出ません。

(注:大容量のドライヤーを使用する間はソーラー発電量を超える可能性があります)

結論:SDGsは最低でも道徳的義務なので、収益を求める材料ではありません。


令和5年3月20日から太陽光発電に対する制限が強化されます

私は第三種電気主任技術者という少し難しい電気の国家資格を持っており、3月20日から施行される電気事業法の新制度解説セミナーに参加しました。

(経済産業省主催:令和4年 小出力発電設備の保安人材育成等事業)

一言でいうと3月20日以降に運転を開始する10kW以上の太陽光発電、並びに30Vを超える全ての風力発電の規制が相当厳しくなります。

参考:10kW以上なので一般家庭の屋根に設置するソーラーパネルは対象外。 尚、ざっと100坪以上の建屋面積を持つ大金持ちと、自身の土地で50坪ぐらいになるでしょうか効率良くソーラーパネルを設置すると10kW以上の発電に掛かってくると思います。


規制強化の背景と個人的見解

まず新制度を少し掘り下げると、今までは太陽光発電が50kW以上から事業用の発電所という扱いで私のような電気に関する責任者(電気主任技術者)を選任する必要が有り、更に詳細な情報や事前確認が必要とされてきました。

今回10kW以上50kW未満では電気主任技術者の選任は不要なものの、技術基準維持義務基礎情報届出使用前自己確認が必要となります。

何故このクラスの規模に規制が強化されたかというと・・・

  • 台風でソーラーパネルが飛ばされた(屋根設置というより単独設置のソーラー)
  • 池などの水面に設置したパネルが台風や強風起因で破損、その後発火した
  • メガソーラーで最初の説明と施工された実際が異なり地域住民ともめている

等、本来なら地球温暖化対策に有効な筈の太陽光発電が全国規模で問題を引き起こしています。

特に無責任な業者が山の地盤を強化せずに多数のソーラーパネルを設置し、近年の大雨で崖が崩れたという事例もあるようで大きな問題が発生、又はこのままでは発生すると危惧されています。

(セミナーでは実際の地盤浸食・土砂の流出・傾斜面崩壊の画像が紹介されていました)


YouTubeでも中国系の企業が地方の山に余り対策をせず大量に設置し、認可が通らなかったのか放置されて草が茫々になっていると問題を調査した動画も有ります。

該当の敷地は私有地なので誰も近づけず、その下流の農地の水を調べると出る筈のない危険な要素が検出される状態とのこと。

(おそらく複数のソーラーパネルが割れているのだろう)

その企業はFIT対象期間が終わるとわざと倒産するとの噂もあり、対策不十分なメガソーラーが無責任に放置されるかも知れません。


今回の規制強化はそれらを防止する目的であり、例えばソーラーパネルを設置する架台にも基礎を強化しなさいとか骨組みを組合わせる箇所は長孔では駄目とか、事細かい指示が追加されています。

勿論土砂の流出及び崩壊の防止に係る内容も強化され、排水溝、調整池に関しても計算上の数値と設計図の提出が必要となります。(違反が発覚すると事業者つまりオーナーの責任になる)

これらは個人的見解を二言で表すと、『FIT(固定価格買取制度)で環境にやさしいとうそぶいて利益のみ追求した悪人が多数現れ、今回の規制であるべき姿に大きく舵を切った』と思います。

因みにFITは規模・内容により10年か20年の固定ですが、FIT終了後も売電するには再度申請が必要になり、到底今回の規制を通りそうに無い利益追求型の企業は雲隠れして大量に放置されるのではないかと個人的にも危惧しています。


それでも太陽光発電は推進する必要がある

先程今年から新規に稼働する10kW以上50kW未満の太陽光発電の規制が強化されると説明しましたが、これにより利益目的の企業・又は個人は撤退していくでしょう。

それでもカーボンニュートラルを宣言した我が国は取り急ぎは太陽光発電を推進する必要があり、実質去年後半から各自治体もソーラーの設置に動き始めています。

そもそもCO2削減云々の前に石油を代表とする石化燃料はビニールやプラスチックの原料でもあり末永く子孫にも残さなければならないのです。

なので私は今後電気を使いませんという人が大半にならない限り今の規模の発電量は必要で、小型原発や最近では浮体式洋上風力発電所も実用化し始めましたが、今すぐに民間で導入出来るのは太陽光発電なのです。

更に補足させて頂きます

立場上綺麗ごとを言いたいのか、はたまた関心を持って欲しいのかソーラーパネルが大量に廃棄されると逆に環境に悪影響が出るというコメンテーターが複数います。

全ての否定はしませんが、CEマーキングが1993年にスタートし、2006年にRoHS(有害物質使用制限)がヨーロッパで施行されてからはグローバルに販売する商品の環境に対する悪影響は僅かな筈です。

特にセルを電気結合する箇所には大量のハンダが使われているからとの論調ですが、恐らくRoHS施行1年前から鉛フリーのハンダに変わっており、後はガラスとアルミとシリコンが主要素なので安定した素材です。

もし有害な素材を警戒するなら安さよりも信頼できる日本のメーカを中心に選択すれば良いと思います。

住宅の屋根に設置した太陽光発電の実際の収支データー

電気代が再高騰している今、自宅にソーラーパネルを設置しようかとか、あの時設置していたらどうなっていたのだろうと考えている人が増えたのではないでしょうか。

この商品の換気冷却効果を説明する目的で代表者宅の実際のソーラー発電モニタを掲載していますが、ちょうど良い機会なので設置した9年前まで遡り、費用対効果面でどうだったのかを途中経過として公表します。

<設置情報>

  • 木造2階建ての南面と東面にソーラーパネルを設置(南面は理想とされるほぼ南向き)
  • 屋根勾配は5/10(傾斜角26.56度)、ソーラーは南面12枚、東面5枚を設置    (計算上南面は4月11日と9月1日が太陽と直角、尚、西面に傾斜の屋根は無いので設置出来ず)
  • 近隣に日射を阻害する建物は無く、東面のみ夜明け直ぐは隣の屋根の影になる程度
  • 兵庫県の中南部で比較的日射量が多い太陽光には向いているとされる地域
  • オール電化住宅ではありません。(但しコンロは高出力IH)

<解説>

下記は太陽光発電のパワコンのデーターを元に抽出された1日の各電力グラフである。

  • 青 発電した電力量:ソーラーパネルが実際に発電した電力量で当然昼間しかグラフは現れない(住宅の消費分も引かれていない発電量)
  • 灰 買った電力量:電力会社から後日請求される電気量で、12時など昼間は太陽光発電があるのでゼロになる
  • 橙 消費した電力量:実際に家庭で消費した電力の合計で、太陽光発電が無い朝や夜は灰色のグラフと真逆で同じ値になる
  • 黄 売った電力量:昼間は太陽光が発電しており家庭の消費より太陽光が多い場合に黄色のグラフとなる、これが余剰電力でFITとして買い取られる

参考図:22時だけ消費電力が2kWを超えているが、これは乾燥機とアイロンを使った時の電力量である。 このように太陽光発電と住宅の消費電力がリアルに表れる。


では、以下に2022年3月から2023年1月までの月ごとの発電量、ほぼ晴れだったその月の最高発電日(中央)と、雲も出ていて発電が出来ない時間帯もある一般的な日(右側)のデータを並べます。

太陽光発電は暑いと効率が下がるともいわれているのでその辺りもご確認下さい。

尚、昼間にずっと雨だった日はグラフにするまでも無く殆ど発電はされません。

表やグラフはクリックすると拡大表示します

採用したパネルはソーラーフロンティア(株)の曇りでも発電出来、比較的暑さにも有効とされる商品です。


導入費用と約9年間の収支について解説

ソーラーパネルを実際に導入すると費用が回収出来るのかという点が一番の関心事だと思いますので具体的な数値で公開します。

尚、一時新電力に切り替えていた時期があり、その間は関西電力のプレス資料から全期間を大手である関西電力の従量電灯Aに換算した数値なので料金に若干誤差があります。

(新電力の電気代が一時期高価だったので関西電力に全期間換算)


初期費用について

平成25年(2013年)12月設置:ソーラーパネル17枚、最大発電量2.805kW

太陽光発電システム一式:¥1,409,800円(税別)

 (ホームサーバー・売電メーター・1年後の点検含む)

  • 注意:足場工事、仮設トイレ等別途で¥225,000円の費用が発生していますが、外壁塗装工事と同時に行った為はぶいています。 ソーラーパネルを単独で設置する場合はこの7割程度の費用が必要です。


関西電力に販売した金額と補助金

指定口座へ実際に振り込まれた総額:¥656,982円

ソーラー発電導入時の補助金:¥56,000円

売電金額は2014年4月~2023年1月までの間です

FIT固定買取価格:38円/1kW(2番目に高い期間に導入)


2014年7月4日~2023年1月31日間に自家消費で支払わずに済んだ電力料金

  1. 期間中ひと月の買った電力が全て300kWh未満の場合:¥413,664円(税込み)
  2. 期間中ひと月の買った電力が全て300kWh以上の場合:¥459,222円(税込み)

参考:期間中ソーラー発電から自己消費した電力量の総計:13,876kWh

  • 注:2014年3月から2014年7月3日までのデータはサーバーに残っておらず除外しています。


9年間の費用収支計算

  1.  300kWh未満の場合:1,409,800✖1.05(消費税分)ー656,982ー  56,000ー413,664=¥353,644円(未回収費用)
  2.  300kWh以上の場合:1,409,800✖1.05(消費税分)ー656,982ー  56,000ー459,222=¥308,086円(未回収費用)


太陽光発電(住宅用ソーラーパネル)採用の考察

ここでまず補足しますが関西電力の従量電灯Aは3段階料金制度で下記の分類があります。

参考で2015年6月値上げ時の各1kWh単価を併記します。

  • 1段目: 15kWh以上120kWh未満(最も安い:22.83円)
  • 2段目:120kWh以上300kWh未満(中間:29.26円)
  • 3段目:300kWh以上(最も高い:33.32円)

このように電気使用量が多くなるほど電気料金も高くなる設定です。

ソーラーパネルを設置する対象は一軒家なので、通常を想定すると日常生活をする中で月に120kWhを下回る事は無い筈です。(夫婦2名でほぼ家にいない家庭は除く)

そうすると太陽光発電が日中発電していれば自家消費に電力を回せるのでデーターの住宅では300kWhを超える月が3又は4か月で済み、1.と2.の間の効果が見込まれます。

因みに太陽光発電の無い一般住宅では殆どの月で300kWhを超えると判断出来、つまりもっと電気料金を支払っていたと考えられます。

又、太陽光発電を備えても家族が多い家庭では恐らく毎月300kWhを超えているでしょう、その場合は費用収支計算の2.を見て頂ければ実際に近づく考えになります。

(なので2パターン算出しています)

但し日中の使用量が増えれば売電量は減るので電気使用量の多い家庭では、電気代が高騰する前までは未回収費用が多く残る筈です。

これは買取金額38円300kWh以上の支払い金額33.32円だったので今までは発電を売った方が得だからです

尚、今後上限規制撤廃も有り得る電気代が高騰する要因の一つ『燃料費調整額』は、関電の資料で計算すると約9年間トータルでなんと未だー¥1,987円の値引きになります。

(関電は原発の再稼働により2015年7月~2017年7月と2020年2月~2021年9月までマイナスの調整額である)

参考:従量電灯A電力料金=基本料金+その月の使用量✖上記の電力単価+燃料費調整単価✖使用量+再エネ促進単価✖使用量


FIT終了も踏まえた今後の電気料金

原発を再稼働させた関西電力でも最近の燃料費高騰を受けており2022年3月から燃料調整費は上限の2.24円/kWhが続いています。

しかし2023年2月から9月まで政府の決めた補助金-7円/kWhが適用されるので電気代は下がる見通しです。(関電の資料では2023年10月から-3.5円/kWhになる)

  • 注:2023年4月から送配電の委託料分として一般家庭で月額93円値上げすると報道あり

又、LNGの国際価格はヨーロッパの異常な暖冬もあって一時期より下がっており、今年夏以降落ち着いてくるとの見通しを出している専門家もおられ、原発を再稼働出来ていない他の大手電力会社と令和5年4月から料金差が更に出てくる見通しです。

尚、今回は全て関電の従量電灯Aに換算して計算していますが、夜間の電気料金を下げて昼間の電気料金が高いプランなど、皆さんが採用されている内容により上記の未回収費用も大きく変わってきます。(太陽光を持っていれば昼間の料金が高いプランがお得な筈)

残り1年となったFITの買い取り額について

該当の住宅では2024年の1月にFITの固定額買取38円/kWhが終了し、その後は8円/kWhと相当下がります。

去年1年と同じ発電量とした場合の売電金額は¥68,742円で、発電で自己消費する金額は1.の場合¥47,183円、2.の場合¥53,354円と合計11万6千円から12万2千円ほどなのでFIT10年間で18万6千円から23万8千円が未回収金額となります。

又、15年程でパワコンの交換が必要と言われており、恐らく15万円程交換に掛かる見通しです。

約9年間の売電電力が15,567kWhで1年換算1,729kWh。

よってFIT終了後に売電単価8円の10年間で約¥138,320円、同じく10年使って自己消費分が今の電気代水準で1.の¥471,830円支払わずに済むと想定するとFIT終了後の10年で¥610,150円浮く事になり、未回収18万6千円から23万8千円とパワコン交換の15万円を見越しても実質十数万円得する事になりそうです。

(劣化による発電量低下電気料金が多少下がるのを見越してザックリ十数万円程としています)

但し通常は必要な足場の費用も考えるとFIT買い取り額が高い38円でも20年でトントンぐらいでしょうか。

  • 導入前のシュミレーションではFITが終了しても20円台で買い取られるのではないかとの想定で14年、15年目で回収出来る計算だったので、買い取り額が8円となった今、20年でトントンになるのはある意味シュミレーション通りである


FIT終了後の選択肢と住宅用太陽光発電の纏め

この先買取金額8円は変わらないと思いますが、電気料金は下がるでしょう。(そう願います)

なので未確定な要素はありますが、最近FIT終了後に蓄電池で自己消費分を増やして高騰する電気料金を吸収する方法を良く目にします。

しかしどうでしょう、蓄電池に掛かる費用が100万から150万と言われているので今回の事例では蓄電池費用の回収が出来ません。

(個人的には蓄電池の製造過程のCO2排出量にも疑念があります)

その他に電気自動車を蓄電池として兼用し、ガソリン代を浮かす方法も提案されています。

我が地域でも蓄電池に対する補助金が出るようなので一応応募してシュミレーションをしますが、現時点で最有力と考えているのは関西電力独自の貯めトクサービスです。注意参照

関西電力の貯めトクサービスは2025年4月に終了となりました

以下注意までの内容に間違いはありませんが、採算が合わなかったのでしょう、関西電力自体が2025年4月に貯めトクサービス全体を廃止する事になりました。(2 024年3月27日発表)
本来CO2削減に全力を挙げるべき電力会社がこの制度を廃止する事に大きな不満が有ります。
蓄電池は地震で火災が発生する恐れがあり、又、製造時に多大なCO2が排出されると知り貯めトクサービスが最適と判断していましたがこの結末。

日本も炭素税に踏み切るべきです。
そうすると再エネの発電量を確保する必要が出てきて再び類似のサービスを再開するでしょう。

<以下原文>

貯めトクサービスにはS・M・Lがあり、利用料金も取られてそれぞれ月に800円、2,350円、5,000円必要です。

しかし名前の通り蓄電池の代わりに余剰電力を見かけ上関西電力に貯めて、夕方や夜からその貯めた分を消費するのでトータルの支払い金額が減る仕組みです。


  • 注意:FIT終了半年前になり、実際貯めトクサービス含め、そのまま関電に8円で売電するか他のプランを選択するかの案内が届きました。 先に結論だけ申し上げると落とし穴があり、燃料調整費の関係から政府が電気代に助成をしている間は貯めトクサービスに切り替えると不利なので、切換えは来年以降に再度検討する判断をしました。 


元々トイプードルを飼っていて夏と冬はエアコンをつけっぱなしで申し訳ない気持ちからソーラーパネルを導入したので、私は損得よりもCO2削減が目的でした

貯めトクサービスよりもっと得をする方法があるかも知れませんが、蓄電池で発電を自己消費するより売電を続けて地域の夏の電力ピークを下げる考えがCO2削減には適していると思っています。

(蓄電せず売電を続ければ、余剰電力は周辺の住宅の電力消費に回ります)


最後になりますが、今では夏の日中は太陽光発電によりある程度CO2は抑えられます。

逆に発電が出来ない朝と夕方以降に風で排熱するWindリーダーはベストな組み合わせです。

気候変動に具体的な対策を目指した13番にピッタリな商品なので一度ご検討下さい。


  • 注意:ソーラーパネルの金額も下がり、発電能力も向上しているのでそれぞれの導入時期により今回の計算値は、そのままでは流用出来ません。取引の電力会社でもお住いの地区の日射量でも大きく変化するので基本的な計算の考えとして参照して下さい。 尚、設置費無料で業者が発電を買い取る方式等も最近は有りますので色々ご自身でも調べて下さい。