環境問題とEV化の推進に暗雲?

日本でもEV化が進む見通しだが・・・

去年12月に少し記載しましたが、トヨタが今後一気にEV化を進める方針です。

また今年1月、ソニーが独自のEVを開発すると表明しました。

その他各社軽トラに相当する小型運搬用のEVを販売すると表明し、日本でもかなりEV化が進む見通しです。

私も元々は自動車部品の生産技術からスタートしているので、環境問題にも直結するこれまでのEVの問題点等少し解説します。

因みに以前自動車連合会がCMを流しており、そこで自動車関連企業に550万人務めていると説明していました。

私のようなOBを含めると、日本にはその倍近い人口が自動車業界に携わっていた筈です。

人口の1割弱が関係者なら、トヨタのEV化は世論に大きく影響すると安易に予測出来ます。


EV化と平行して進んでいる水素エネルギーについて

これまでトヨタが中心に推し進めている水素エンジンは、水素自体が省エネで且つ有害な物質を出さずに生産出来れば良いのですが、現時点では不利な要素も多いようです。

現在水素は石炭(褐炭)を原料にするか、水を電気分解するかが現実的な製造法のようですが、石炭からの製造時に不都合な物質が多く発生し、電気分解はその際に多大な電気エネルギーを必要とする為にコストが掛り、どちらも決め手に欠けているのが実情です。

(石炭から水素を生成する場合、発生する温暖化ガスは地中に埋めるとされている)

因みに現在販売されているトヨタのMIRAIはFCEVと言う水素を使った燃料電池自動車で、エンジンに直接水素を送っている訳ではありません。


水素の製造技術に戻り、中国では太陽光発電から直接水素製造の電気分解に使うプラントが完成したようですが、地理的に緯度が高く通年の日射量がどうなのかと思います。

尚、赤道に近い緯度で言えば、サウジアラビアも大規模な太陽光発電プラントを計画しているようです。

こちらはサウジアラビアのような砂漠地帯で石油の代わりに太陽光から水素を生成すると安定した供給源になるかもしれません。

但し我が家に太陽光発電を設置した際、太陽光発電は暑すぎると変換効率が下がり、最も発電出来るのは5月頃と伺った事が有ります。

サウジアラビアは縦にも長い国土で緯度はざっくり台湾ぐらいですかね。

なので夏季は暑さで発電効率が下がるかも知れません。

あとは砂漠の場合太陽光パネルにどれだけ砂が付着し、それに伴うメンテナンスコストが採算ベースに合うかどうかも問題点です。

実際2014年までスペインに近いサハラ砂漠に太陽光パネルのプラントが存在し、メンテナンスコストで採算が合わずに撤退したとYouTubeの解説動画で見た事が有ります。

それがドイツが主となって推進したテザーテック計画だと思いますが、ソーラーパネルの大規模プラント2施設と、ミラーで中央に太陽光を集約し、水と言うより合成油だったと思いますが、過熱してタービンを回す発電プラントが一つ存在していました。

尚、この時のテザーテック計画は参加企業間の意見や利権の対立により2014年10月に事実上の解散となり、プロジェクトは消滅しています。

動画によると発電した電気をジブラルタル海峡の海底ケーブルで実際ヨーロッパへ接続したらしいが、確か砂の問題、タービン発電は蒸気後に必要な腹水器の冷却の問題と、最後はケーブルの維持費で採算が合わなかったと記憶しています。

失敗は成功の基と言いますが、サウジアラビアが太陽光パネルで水素を生成する方向に動けば、離れた日本も恩恵を受けそうです。

水資源が豊富な日本がサウジアラビアへ水を輸出し、水素へ変換して日本が輸入すれば、それこそ持続可能なwin-winの関係になります。

水素を使った小規模な発電は既に神戸で実証されています。(川崎重工)

太陽光エネルギーを一度水素に変えれば昼も夜も曇も関係無くなり、水素発電で冬のピーク電力を賄えるかも知れません。

補足:今年はEUで安定した再生エネルギーが重視され、再びサハラ砂漠で太陽光発電する案が浮上しているらしい。


今後水素方式とEVのどちらが優位になるのか

この記事は2022年の1月頃から情報を集めていましたが、2月にロシアによるウクライナ侵略が始まり本当に不透明になりました。

欧米ではロシアに対する制裁で天然ガスの輸入を大きく制限し、多くの国でEVに不可欠な電気代が大幅に上がっているからです。

又、中国のゼロコロナ政策と12月の急速な緩和→感染爆発によって、EVの心臓部であるリチューム等の素材が不足気味で、11月末時点でも専門家情報では欧州の自動車業界はEV化の推進に揺らぎが出て、水素方式(FCEVか水素エンジンかは不明)にも着目しているらしい。

(いずれにしてもガソリンの高騰は日本だけでなく世界各国で発生しており、ガソリン車の回帰も恐らく難しいでしょうね)

くしくもロシアの横暴が無ければEV最大の問題だった走行距離が(どうやらかなりの制限付きのようですが)ボルボとメルセデスが1000km走行を発表し、一気にEVの流れが確立したと推測されていたタイミングです。

私も一世代前の日産リーフを一度検討した事は有りますが、その時に選ばなかったのは当時320kmの走行性能で、更に冷房暖房をONすると走行距離が大幅に下がるからです。

なのでエアコンも加味し、一気にEV化が進む条件として1000km走行が一つの目安と考えていました。

1000km目安の根拠は単純な走行距離ではありません。

今年も12月20日頃から発生した大雪による長期の立往生で、ガソリン車なら自治体や自衛隊が緊急でガソリンを少量立往生車に給油出来るがEV車はそれが出来ません。

今年の立往生をきっかけに2021年JAFが実際に零下8.1℃で4台のEV車を使った実験結果をワイドショーで解説していましたが、停止時にEVの弱点のエアコンを使ったところ、オートエアコンの25℃設定のテスト車は・・・

『バッテリー残量70%で19時から検証開始、翌日4時半に残量10%を下回りテスト中止』との結果です。

EV車はバッテリー自体が零下になると性能が落ちる点と、ガソリン車はアイドリングでもエンジンは熱を持つが、EV車はエアコンかシートのヒーターしか寒さ対策が無く、このテストから冬の立往生は命がけである事が判ります。

※この為EV車は電気毛布を車内に積む事が推奨されています。

※一部の高速道路公団は数台EVの充電車を持っているらしい。

ボルボもメルセデスも相当軽量化したデモ車両でようやく1000km走行のようだが、バッテリーの性能もかなり向上させた、と思われる。

よって1番の弱点である寒さ対策も有る程度カバー出来るでしょうが、今回のロシア・中国問題でEV推進は不透明になったと言わざるを得ないでしょう。

(別途で半導体不足も続いてますし・・・)

欧州の判断次第では水素方式が急速に発展するかも知れません。

尚、LNG不足で各国の石炭火力発電所の延命が決定的になり、数年のCO2削減の停滞もほぼ決定的になったのではないでしょうか。

因みに去年記載した2022年中に廃炉予定だったドイツの3基の原子力発電所は数年先延ばしにする方向だそうで、環境面ではこれだけが良い情報です。

HOMEへ戻る

0コメント

  • 1000 / 1000

夏の節電に有効な商品 Windリーダー ベランダ用

ブログ更新のお知らせを受ける場合は+フォローしてください