今年こそWMOの警告を真摯に受け止めた方が良い

4月に期待外れな漠然とした警告を発したWMOですが、5月報告書と共に2、3段階レベルを上げた警告を記者会見で発表しました。

  • 国連の世界気象機関(WMO)は5月17日、世界の気温は今後5年で過去最高水準に達し、 平均気温の上昇を1.5 度に抑えるという重要な目標値を超える可能性が高いとする報告書を発表した。健康や食料、 水の安全保障、環境に影響を及ぼす「未知の領域」に人類が足を踏み入れつつあると警告している。

これは複数のメディアで取り上げられ、気候変動が『未知の領域』に入ったとニュース番組を見て記憶に残った方も多いと思います。

因みに期待外れな漠然とした警告と表現しましたが、これは今の温暖化の基準自体が的外れな為で、やっぱり夏の気温上昇と冬の気温を早期に分けて評価しないと夏がとんでもなく暑く、冬は逆に異常に寒ければ、そのパターンのほうが人体にとって厳しいのに1年平均では差が出にくくなる計算となる趣旨です。(4月の速報で年間での温度差が恐らくそれ程では無かったのでしょう)

前回の冬は日本と北米で異常に寒い時期がありましたよね、逆にヨーロッパでは暖冬で、電気のインフラを攻撃されたウクライナが救われたとの報道を皆さんも見ている筈。

夏が異常に暑いのも困りますが、冬が異常に寒い事も地球温暖化の影響とされており、特に日本と北米の寒波は北極圏の気温が上がり、北極側のジェット気流が弱まったからと解説している学者もおられます。


くどいですが何故環境問題に取り組まなければならないのか

地球温暖化とかCO2削減と聞いても大半の方は未だ他人事だと思います。

でもそうでしょうか、6月のはじめにも各地で大雨が降りましたよね、下記に例としてネットに動画が公開されていた名古屋CBCの一部を記載します。

→6月2日の記録的な大雨で、愛知県の農作物被害は12億円を超えました。 大量の泥水で変わり果てた農作物、深刻な被害を受けた現場は、今…。

(トマト農家)「10割ですね。全滅ですね。頭が真っ白になった」


この様な大雨の被害が年々拡大し、多くの農家が廃業を決意したとすれば日本の将来は危機的です。

しかもBBCのワールドニュースなどを見ると、同じような豪雨が南米やヨーロッパでも発生し、同じく農家の方が弱音を吐いています。

更にもっと酷いのは雨が降らなくなった地域で、日本では考え難いですが雨が降らなくて既に農業を諦めた地域もあるそうです。

他にCNNからは今年の6月シベリアの気温が異常で下記を掲載しています。

  • 世界の異常気象を調査している専門家マキシミリアーノ・エレラ氏によると、ヤルトロフスクでは3日に同地として史上最高の37.9度を観測した。
  • 7日にはシベリアの複数地点で史上最高の記録が更新され、バエボで39.6度、バルナウルで38.5度を観測した。

寒冷地のシベリアで最高気温40度弱とは明らかに異常ですよね。


雹の被害も心配

温暖化の過渡的な気象として雹が挙げられると思います。

6月の13日から15日には関東や北海道をはじめ、過去に無かった広い地域で雹が降り、投稿された動画がニュースでも紹介されていました。

数日前には中国の北部でも雪崩のようだと坂道を下る雹の川がニュースで紹介されていましたよね。

暖かい湿った空気の上空に冷たい冷気が流れ込めば雹が降るので昔からある現象といえばそれまでですが、この数年世界で報告されている雹はゴルフボール大やこぶし大で、こぶし大の動画には必ずといって良い程フロントガラスが割れた自動車も映っています。

去年11月のブログにも書きましたが北関東では収穫前の作物に雹で傷が付き、その時の被害額が24億円、先程のCBCに記載した6月2日の大雨は愛知県だけで12億円の損失。

今でさえこのような被害状況の中、日本でもゴルフボール大以上の雹が降れば屋根や車の被害額も加算されるので10倍ほどの被害額に恐らく跳ね上がるでしょう。


生きている間に見る事は無いと思っていた事態が現実に・・・

全くあおるつもりは有りませんが、大雨や雹の大型化というのはなんと40年前から知っていました。

それはSF映画や小説ではなく、科学雑誌に載っていた2100年の予測記事です。

その予測のベースがノーベル賞を受賞された真鍋教授の温暖化予測であり、しかも当時の予測が30年から40年早まって今まさに発生しています。

もう一点補足すればサイクロン・台風・ハリケーンの大型化も当時の予測が見事に的中しています。

パーソナルコンピューターが出始めた時代にこれらを計算しきった真鍋教授は正にノーベル賞に値します。

(地球温暖化の解説を元編集長として出演されていたので、その科学雑誌はニュートンだったと今は思っています。YouTubeで探して下さい。)

あれから時間が経過し、気候変動が表面化し始めた頃に週刊誌だったかも知れませんが地球温暖化の想定される重大な問題として穀物が育たないという事も予測されています。

絶滅危惧種という表現がありますが、何も動物ばかりではありません。

自分で移動できない植物に急激な気温変化があれば数年で死滅する恐れがあります。

そして死滅は連動し、植物から昆虫、更には穀物の不作へと広がるとの予測です。

※主要穀物は専門の種苗メーカーが人工的に受粉させているかも知れませんが、各地独自の農産物は危機に陥るでしょう。


気象庁がエルニーニョ現象発生を表明

先日気象庁がエルニーニョが発生したようだと正式に発表しました。

エルニーニョが発生すると一般的には冷夏になるといわれています。

個人的にはエルニーニョが発生云々というより今年か来年あたりに一度は夏の気温が落ち着くだろうと思っていましたが、それが現実に起こりそうです。

それは根拠というより温暖化で気温が上昇しているとはいっても毎年の平均気温でも波打ちながら右肩上がりになったグラフなので、数年周期で見ると少し気温が下がる年も有るからです。

今年どの程度気温が下がるのかを注目していますが、スーパー台風に発展した台風2号が海の温度を下げた(かき混ぜた)ので、去年の夏のように夜でも和歌山沖の海が28度を維持する事はないと思います。


エルニーニョで適度な冷夏になれば良いのですが、去年同様に各地で猛暑日が連発する夏になってしまえば本当に穀物が危機的状況になる可能性は残っていると思います。

今なら未だ各自でも出来る事が残されていると思います。

子や孫世代の為、40代以下の方であれば自身の為に出来る限りのCO2削減を心掛けましょう。


後書き

何故こんなに温暖化対策に熱心かといえば、今回も記載した40年前の温暖化記事を読んだ時、『それは無いだろう』と真逆で否定的だったからです。

当時、海はとてつもなく広いので多少CO2が増えても海に溶けるだろうと考えていました。

技術系の人間は事実を優先して考えるので、2008年頃のサンゴの白色化で一気に危機感を高め、これ以上温暖化すれば加速するのでは?と考えを改めました。

この加速する危機感は去年報道ステーションで海の水温が上がればCO2を吸収するどころか放出すると解説していて改めた考えはほぼ正解だったと思います。

冒頭に戻りますがWMOの表現した『未知の領域』とはこの温暖化の加速を指すと思っています。

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