7月1日に6月までの日本に関係するニュースを纏めましたが今回は海外編にします。
ニュース報道によると7月22日が17.15℃と観測史上世界平均でもっとも暑い1日だったようです。
2023年が過去もっとも暑い1年になりましたが前年同月比の気温は6月分も超え続けています。
時々西暦を月別に並べた気温上昇グラフが報道されますが、あれを見ると今後どうなるのかと心配ですね。
そのような背景も有るためか、いくつかで『これは今まで無かった』と感じている事例を中心に纏めています。
アメリカ人を中心に、温暖化の熱波を諦めている機運が高まっている件
今年のMLBオールスターゲームが行われたテキサス・レンジャースの本拠地アーリントン。
このドーム球場を一歩出ると40℃近い気温だと中継したNHKのアナウンサーが補足していました。
日本より湿度が若干低いそうですが、連日40℃が続くと日常も、そして人々の考えも変えつつあるのかも知れません。
特に7月10日前後は全米を包み込むようなヒートドーム現象が発生し、米国の大手メディアが報じた各地で最高気温を更新したニュースに、Youtubeでは温暖化による異常な高温を嘆く、又は暑さに諦めたコメントが大半でした。
ニューヨークでも回転式の橋が熱膨張で干渉し、回転出来ないので放水して冷やすといった動画もこの時期です。
少なくとも2年前までなら気温が異常に暑い報道には、温暖化問題を重視する人から『今すぐ温暖化ガスを削減しよう!とか、再生可能エネルギーの普及を促すコメントが大半だったのですが、今年は諦めや嘆きのコメントしか見かけませんでした・・・。
因みにニューヨークって結構北にあるイメージですが、北半球にいれば夏至の前後にヒートドームや暖気の流れ込み等もう一つ二つの条件が揃えば、日射時間も長くとんでもなく暑くなるのです。
日本でも7月7日、静岡市で40.0℃を過去最も早く記録したと話題になりましたが、大変なのはエアコンが本来必要のないアメリカの北部地域です。
今回のヒートドームがかなりの広範囲だったので何処まで影響があるのかとYoutubeで検索したところ、北米の地方局と思われる動画では、シカゴなど五大湖周辺の人は、そもそも暑さをしのぐ冷房設備が無く低所得者が命の危険に晒されていると報じていました。
大国のアメリカで冷房設備が無い? これは北海道でエアコンの普及率が低い事と同じ事情があります。
例えばシカゴは緯度でいうと函館の辺りなのでシカゴ・カブスのハイライトでは春先でも雪が舞っていたりして本来は夏でも冷房設備は不要です。
私はエアコンを販売した経験こそ有りませんが、モーター機器を使用するメーカーの経験が有り、寒冷地のユーザーでは真冬の朝にエラーが発生する認識が有ります。
理由は有り、真冬にマイナス10℃を下回る地域ってベアリング自体が凍って固着し、周囲が温まるまでモーターが正常に使えなかったりするのですよね。
トルクって面白い特性があり、半径が小さいベアリングが凍って固着すると、それに打ち勝ってモーターを回すには多大な電流が流れて過負荷状態になるので普通は使えません。
特にエアコンは『室外機』の文字通り、屋外にコンプレッサーを置いているのでコンプレッサー用モーターか冷却ファンがマイナス10℃では回らない認識です。
このような現象があって、有る程度の寒冷地域からはエアコンの設置率がぐっと下がる認識です。
勿論エアコンでも寒冷地仕様というのが有り、要所にヒーターを入れて機器が凍結(固着)しない対策をしている商品もあるのですが、その分高価なので余り売れていないらしい。
- 先日北海道出身のコメンテーターが、最近はさすがに暑くてエアコンを購入する知り合いが増えたと補足していました。
シカゴは今年の年明けに北極からの冷気が流れ込み、マイナス20℃から30℃まで冷え込んで、『まるでテスラの墓場』と揶揄された急速充電ステーションのニュースが有りましたよね。
EV車もバッテリーが寒さに弱いですが、エアコンというか小型のモーターもマイナス10℃を下回ると普通には使えないので選択出来る家電も変わってくるのです。
それにしても冬はマイナス30℃の極寒になり夏は30℃超えの猛暑となると、屋外に生息する野生の動物にも多大な影響が出たかも知れません。
パリ・オリンピックでエアコンの無い選手村が話題になっているが・・・
現在開催されているパリ・オリンピックで選手の部屋にエコを優先してエアコンが無い事が時々番組で取り上げられていますが、フランスも国土が広いので緯度だけを考えればパリは北海道の最北端より北にあります。
この様な位置関係と景観保護の関係からフランスのエアコン設置率は25%らしいですね。
因みにフランスでも観光地だけだと思いますが、エアコンの室外機は許可なく設置出来ないともめざまし8で解説していました。
ヨーロッパは全般的に緯度が高くても温暖な海流の影響ですごし易いとは言うものの、今年のパリの気温は7月に30℃超えが7.5日、8月も7.2日と予測されています。(実際スノボの試合で最年少の女子選手は熱中症気味で実力が発揮できなかったとも報じられていました)
他にもレンガ造りの建物はエアコン用の穴(配管・配線)を空けられないなど物理的な問題があり、エアコンの普及率はどうしても低くなるのでヨーロッパに熱波が襲えば大変。
先程のシカゴ同様、本来それ程暑くなかった都市が温暖化の影響を受けると傍から見るより大変な影響を受けるのです。
- 選手の部屋には床暖の要領で冷えた地下水を床下に流し、室温を調整するそうですけどね
国連のグレーテス事務総長が『隕石』と例えた件
国連のグテーレス事務総長は、冒頭に触れた1日の世界平均気温が2日続けて観測史上最高を更新した事を受け、気候変動対策の強化や労働者の暑さ対策など緊急の行動を呼び掛けました。
なんでも推計では近年の暑さで年間50万人の方が亡くなっているそうです。
また6月には今の気候変動は恐竜を絶滅させた隕石と同じだと比喩しました。
そして我々は恐竜ではなく(被害をもららす側の)隕石なのですと補足していました。
その隕石発言の際、全ての国に対し化石燃料企業の広告を禁止するよう求めると発言しています。
この広告禁止の発言はスポンサーの関係からか日本ではほぼ報じられませんでしたよね。
事務総長は以前の地球沸騰化発言の時も石油会社などを批判していましたが、かと言って明日から石油を一切使わない生活なんて出来ないです。
ただ私も商用化が10年以上先のメタネーションを自慢するガス会社のCMと、環境問題番組の最後に『でもこれからこのような技術が期待されている』と締めくくる日本のテレビ番組には嫌悪感すら感じます。
メタンの化学式CH4を見れば炭素と水素を結合すれば生成出来る事は誰でも判る話。
でも炭素の気体と水素を混ぜれば出来る訳では無く、それぞれの精製に掛るエネルギーと結合に必要な設備費や耐久性など課題は山積みの筈。
何故ならそんな簡単にメタンガスを作る事が出来るなら数十年前から実現していますよね。
1月28日テレビ大阪で放送された関西リーダー列伝によると、開発担当者はメタネーションの大型プラント化は2030年代後半から2040年代に商用化を目指すとしており、このように先送りしている技術は過去に何度も裏切られてきましたので、今度はどうでしょうか。
- 万博で生ごみから発生するガスのメタン化設備(e-メタン)を先行でお披露目はする計画は有ります(万博用で採算度外視と思われる)
最後に・・・
今回は海外の事情を中心に纏めましたが、極度の猛暑で世界が温暖化対策を諦める事が怖い。
最終的にどちらが多数派になるかで時代の流れが決まると認識しており、日本も7月末から8月初めまで各地で猛暑日が予報されており、既に諦めムードが漂っている気がします。
でも何も行動しなければこの夏に東北を襲った甚大な豪雨被害は今後拡大するばかり。
豪雨や雹被害は間違いなく『明日は我が身』です、出来る事から温暖化に対峙しましょう。
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