ウクライナ情勢に伴い岸田首相が省エネの協力を依頼

3月3日、岸田首相は記者会見の中で、ウクライナ情勢に伴い石油・ガスの使用量削減を国民に依頼しました。

何故このような更なる省エネをしなければならないのか、少し掘り下げて説明します。


・ロシアのウクライナ侵攻が世界のエネルギー市場に与える影響

世界中が平和なら、それに越したことはない。

しかし絶対に起きてはならないロシアによるウクライナへの軍事侵攻が発生しました。

現地の人々は突然日常が奪われ、明日も見通せない非常に困難な状況に陥っています。

まずは一日も早い停戦と、可能な限り被害の少ない解決を心から望みます。

今年1月のブログに記載しましたが、ドイツの原発停止は本当にタイミングが悪かった。

今更ながらもう一度再稼働する事が出来ないのかを検証して欲しい程の思いがあります。


以前からアメリカはドイツに対し、ロシアへのエネルギー依存を高めないよう警告していたそうです。

もしドイツを筆頭に欧州のロシア産天然ガス依存がウクライナに侵攻する判断の引き金であれば、それは悲劇でしかない。

これらの国はCO2削減の目的が有り、発電方式の一部を天然ガス発電に切り替えていたからです。

これは石炭火力発電に比べ、CO2をはじめとする温暖化ガスやNOx(窒素酸化物)と言われる有害物質が、天然ガス発電の方が圧倒的に少ないからです。

近年の石炭火力発電から天然ガス発電への切り替えは、ドイツだけではなく世界的な流れです。

地球環境への取り組みが意図せず軍事侵攻への判断を高めたとすれば、世界にとってあまりにも皮肉な話。

いま我々が出来る事は電気とガスの更なる省エネを実践し、元々有限である石化燃料の消費を削減する事です。

僅かでもいい、今の季節なら食器の洗いはお湯でしても泡を落とすゆすぎは湯沸かし器をOFFにするとか、厚着をしてエアコンを使わないとか、未だ朝は少し冷たいが便座のヒーターをOFFにする程度でも結構です。

少しずつの積み重ねでロシアに対し、エネルギー依存は民間の努力でも下げられると示す事が重要。

これは更に状況が悪くなる事を少しでも抑える市民行動であり、今回の侵攻は遠い国の出来事ではありません。


・石油よりも天然ガスが不足すれば欧州がかなり危険な状況になる

アメリカの要請で日本はLNG・液化天然ガスを不足が予測される欧州に融通する事を政府が了承しました。

しかしドイツのショルツ首相はLNG輸入ターミナルを国内に2ヶ所、今から早急に建設すると表明したばかりです。

しかもロイター等の記事によるとドイツは過去にLNG輸入ターミナルが無かったらしく、3月5日にオランダのガス会社大手 ガスニーと建設の了解覚書を調印したばかりのようです。

LNG、つまり液化天然ガスはその名の通り天然ガスをマイナス162度に冷やして液状にしています。

天然ガスを液化すると体積は600分の1になりますが、出荷する時に冷やす設備が必要で、その分コストが高いと言われています。

(膨大な費用を投資し、東京ガスが52年前に世界で初めてLNGを輸入したそうです)

また当然LNGを輸入した国は液化した天然ガスを使える状態に戻す施設が必要で、ドイツはパイプラインのガスに依存していたのでこの使えるガスに戻す設備すら無かったと言う事になります。

ですからこの設備が完成するまではLNGが届いてもドイツでは直ぐに使えず、8日の報道ではロシアからの天然ガス輸入を規制しないと表明したようです。

これがもし石油ならどの国でも精製プラントがあるでしょうし、無くてもガソリン等精製済みの商品を購入すれば賄えるので、天然ガスが急に無くなった方が世界的には混乱する事態に陥ります。

SWIFTで一部のロシア取引を残しているのは、この天然ガスの問題が大きいと言われています。

それにロシアのガスとLNGを気化したガスで成分が違えば、ドイツをはじめとする一部の国では相当実用化に時間が掛かると思います。


・天然ガスと言っても実際には各国の電力事情に直結します

皆さんは天然ガスの発電が欧州では主流になっている事をご存じでしょうか?

風力発電や太陽光発電にも注力していますが、夜や風量が少ない時間は天然ガスを燃やして発電しています。

ですから天然ガスが不足すれば料理や暖かいシャワーが使えないだけではありません、天然ガス発電所を止めざるを得ない状況も考えられます。

しかも電気の場合、天然ガス発電が止まった分は他の種類の発電所に負担が掛かり、数カ所の発電所が過負荷で止まれば全てがカスケード式にトリップ(焼けないように自動で止める措置)します。

それがブラックアウトという状態で、日本でも北海道で一度発生した事があります。

このように天然ガスと言っても現実には各国の電力事情にも影響するのです。

(石炭発電が多いと非難されている日本ですら天然ガス発電の割合は37%と最も多い)


去年は温暖化の影響なのか偏西風が不安定な時期があり、欧州での風力発電量が不足して既に天然ガスを主体としたエネルギー危機の兆候が出ています。

3月8日のニュースでは、今年オランダに寄港したLNG運搬船の数は既に去年の半年分の量を超えており、ウクライナ侵攻前からLNG需要が高かった事が判ります。

更に3月1日テレビ朝日のモーニングショーによると、イタリア在住の日本人が直近のガス代が二か月で13万5千円だったと実際の請求書を写していました。

これは去年同時期の約4倍の金額らしく、ウクライナへの侵攻による影響によって更に上がると思われます。

(イタリアは原子力発電が1%以下なので天然ガス発電比率が非常に高い事も影響していると思われる。 ガス消費よりもガス発電を優先してガス不足が常態化したと思います。)


これから更に世界市場に出回る石化燃料の金額は上がるでしょうから、これ以上世界が経済で混乱しないように日本でも省エネを進めるべきです。

Windリーダーは元々省エネに関心がある人向けに進化させた商品です。

3月は未だクーラーを使わないと思いますが、今回のエネルギー危機は長引く筈です。

初夏から更に省エネが必要となるので、Windリーダーによる換気冷却を是非活用頂ければと思います。

今回の事態は世界的な危機です。

皆さんも遠い国の話と傍観者にならず、同意が得られる事を期待します。

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