IPCC第6次報告書(予測)と海の異変(進行形)

3月20日 IPCCから地球温暖化に関する第6次報告書が発表

3月はWBCにおける侍ジャパンの活躍で明け暮れた日本。

ダルビッシュ選手やMVPの大谷選手を筆頭に侍ジャパンから多くの日本人へ底知れない活力を頂いたのですが、その一方で気になるニュースも流れており、2月と3月の内容を少し纏めてみました。

IPCC第6次報告書

国連の気候変動に関する政府間パネルであるIPCCが9年ぶりとなる統合報告書を発表しました。

何故か大々的に報じられていませんが、要約すると気温上昇1.5度までとする目標達成がほぼ絶望的になっているという趣旨に集約するかと思います。

(新聞記事では短期のうちに世界の平均気温が1.5度上昇に達する事が推定されるとの表現)

今回は断定的な表現に乏しく各メディアで表現が異なったりピックアップした内容も微妙に違っていたりと過去のIPCC報告書発表では見られなかった違和感を持ったのですが、これはロシアによるウクライナ侵略が関係しているかも知れません。

国際的な専門家たちもロシアによって温暖化に関しての悪い方向に向かう不透明な情報が増え、今までのような直線的な予測が難しくなくなった表れとも解読出来ます。

2月5日のNHKスペシャル 『混迷の世紀 灼熱地球の恐怖』では、冒頭でウクライナ侵攻による弾薬や燃料の大量消費、攻撃に伴う建物や森林火災、それと将来のインフラの再建などにより去年2月から9月の間でCO2換算約1億トンが排出との試算を報じていました。

又、番組では世界的なエネルギー危機によって廃止に向かっていた石炭の需要が増えた事も具体的に南アフリカのカニエ石炭鉱山を取材して纏めていました。

なのでIPCCの中心であろうヨーロッパでも石炭火力やボイラーが復活し、今回の報告書では歯切れの悪い内容になった、若しくは前述の不透明な情報が増えたため断言し難くなった面もあると推察出来ます。

混迷の世紀 灼熱地球の恐怖ではシベリアの永久凍土の調査に行けなくなり、温室効果がCO2より28倍高いとされるメタンの放出の研究が滞っている点も憂慮されていると紹介していました。

温暖化の影響分析は数年掛かるので、10年後に振り返ると温暖化の点でもロシアは許されない事をしたと証明されると思います。


魚介類でわかる海の異変:海洋熱波など

今回の冬は大きな心配事である海での異変、特に魚介類に関してのニュースが多かったと思います。

2月に複数回、北日本各地で大量のイワシが浜辺に打ち上げられたとのニュースが有りましたよね。

なかでも日テレ系のニュース動画に未だ残っていますが、糸魚川市に打ち上げられたイワシの画像は衝撃で、長靴より高く、一番深い所では膝が埋まる高さまでイワシが打ち上げられていました。

このイワシの漂着も日本海の海水温が常に高くなり、暑くて北上していたイワシを急に寒気が流れ込んだ為に硬直したのが原因とされています。

海水温の問題に関しては3月24日TBSの昼のニュースで“海洋熱波”と言うテロップが目に留まって釘付けになりました。

日本近海での出来事は時々ニュースに流れますが、海外の海洋生物については案外少なく貴重だからです。(おそらく海外で魚を主食にしている国が少ないのでニュースになり難い)

このニュースも壊滅的で、アラスカでズワイガニが“史上初・禁漁”に…「100億匹がいなくなった」 原因に“海洋熱波”がというテロップです。

これまでアラスカで大漁に捕獲出来ていたズワイガニが、史上初めて禁漁にせざるを得ないほど減少したという内容で、今年は2018年と2019年に起きた海洋熱波(異常に高い海水温が5日以上続く現象)による稚ガニの死滅とされています。

  • 夕方にはEdgeにも同内容が掲載されたので、数パーセントの人は目にしたかと思います

以前から瀬戸内海のイカナゴの不漁を例に取り、海水温の上昇が小さく弱い魚を激減させていると記載していますが、それが日本近海やアリューシャン列島まで影響が出始めていると真摯に受け止めた方が良いと思います。

  • イカナゴにしてもズワイガニの稚ガニにしても、小型の生物は長距離の移動が出来ないので海水温上昇の影響を受け易いと個人的に分析しています

他に報道ステーションでは深海魚の水域に、本来海面近くに生息するマイワシが適温を求めて潜っているなどの特集もありました。(この件は危機感を持った漁師から取材を打診したような表現でした)

又、ちょっと期待外れな点も有りましたが、3月26日にBS朝日から地球クライシス第6弾世界の海の大異変と題して放送されました。

このような環境に関する特集は歓迎しますが、唯一1点、富山湾の異変を説明する為に海水温の変化と魚ごとの漁獲量をグラフにしていたら合格点だったと思います。(収穫の時期が変わったとの表現もあり、通期の総量としては変化が少ないのか?)

前述のイカナゴの漁獲量はグラフにすると誰もが一目瞭然で激減している事が判ります。

富山湾でもこの5年から10年で大きな変化があったと思いますので、魚の種別ごとにグラフにして頂ければもっと説得力があった筈。

(この番組で紹介した日本海中部の海水温が世界平均の3倍も高くなったメカニズムは以前から疑問に感じていて、アニメーション付きの解説は大変参考になりましたが・・・)

これらの多くは今ならYouTubeを調べれば見る事が出来ますので、最近の海の異変をご自身でも調べる事を推奨します。

  • まずは現実を知る事、そうすると何をすべきか見えて来る筈です

前半のIPCCの報告書はこれから更に深刻化する予測、後半の海の異変は既に始まっている温暖化の途中結果なのです。

付け加えると3月29日のBSテレ東 プラス9桜前線異常ありと題して民間企業の専門家による予測を紹介していました。

今年は桜の開花と満開は過去最も早いとか、ユニークな表現で桜が入学式から卒業式に変わりつつあるなど話題になっていましたよね。

2100年には温暖化により九州の一部で桜が咲かない、又は満開にならないとその専門家が分析しているそうです。

理由は温暖化が進み九州南部で十分に寒い時期が無くなり桜の性質上、咲かないとか満開にならないとの見解。

そこまで行けば当然魚の分布が変わり、水温変化に弱い魚は死滅しているかも知れません。

2100年とは今年生まれた赤ちゃんが77歳になった時に日本の四季は勿論、食べられる食糧も危うい意味です。

このまま何もしなくても良いのかを考える悠長な勘違いが出来る限界の時期である事を多くの人が認識しなければ大変な事になります。

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