100年前の9月1日、ちょうどお昼前に発生した関東大震災は、ご存じの通り東京で大規模な火災が発生し多大な犠牲者を出す事となりました。
関連した番組が100年目に当たる9月1日と2日に放送されていますが、ちょっと思う事があり今月はその点に触れたいと思います。
関東大震災の震源は神奈川県 伊豆大島付近の海底とされ、複数の番組で津波から逃げる方法を紹介しています。
又、東京の現時点の帰宅困難者は最大約453万人と推定されているそうです。
勿論というか同規模の首都直下地震が発生すると電柱が倒壊、又は電線が切れて地震発生時もそうですが、そこからかなりの期間停電する事が予測されます。
すぐに外へ避難出来る前提の議論が多いが、果たしてそうなのか・・・
前述の津波から逃げる紹介動画にしても帰宅困難者の話にしても、巨大地震が発生した後なのにすぐに建物から出る事が出来る前提の話ですよね。
過去のブログに記載していますが、阪神淡路大震災の時は親戚の家3軒が被災し、当時大阪から毎週支援を行っていました。
その時に知った話として、2軒は築10年以内だったのに2軒とも『玄関の扉が開かなかった』そうです。
2軒は阪神高速が横に倒れた箇所と完全にズレ落ちた箇所の本当に近所なので相当な揺れだった事は間違いないですが、倒壊は免れたものの家が歪んで玄関の扉に負担が掛かり、一人や二人の力では扉は開かない状態になる、まずはそういう議論からスタートした方が現実味のある対策だと思います。
それぞれ実際にどう脱出したかを聞くと、1軒は幸い庭側の窓から出られる程度に空き、もう1軒は2階の窓しか開かず、そこから一人が脱出して玄関の扉を工具でこじ開けたそう。
なのでもしこの記事を読んで気になる方は、2階・3階から女性や子供でも脱出出来る縄梯子かロープ類の準備をする事をお勧めします。(一軒家の場合最上階の方が受ける荷重が少ないので窓が開く可能性がある)
そうしないと後に発生の危険性がある火災から逃げる事すら出来なくなります。
直下型の巨大地震の後は、高い確率で停電します
記憶に新しいところでいえば2021年に発生した茨木県沖の地震(最大震度5弱)でも発電所の周波数低下リレーが作動し、関東で広域に渡って停電が発生する事例がありました。
北海道でブラックアウトを引き起こした5年前の胆振東部地震でもこの発電所の周波数低下リレーが引き金だったので、容量の大きな発電所付近に直下型地震が発生すれば、高い確率で停電になると考えられます。
茨木県沖の地震の時は、理由は判らないですが相当遠い静岡県でも停電があり、確か都心の医療機関より復旧が遅かったと認識しています。
(大規模病院等を中心に、重要インフラへの給電を優先するシステムがあるようです)
これらの事実から皆さんに知って欲しい事
まず第一に小さい子供や孫がおられる場合、停電の後に直接地震の影響が少ない地域では給電が再開しますので、エアコンの操作を知っているかどうかを確認して下さい。
今年は過去に無く雷が発生し、テレビで頻繁に落雷による停電のテロップが出ていましたが、落雷程度のトラブルなら子供へ携帯でエアコンの運転を指示する事が出来るでしょう。
しかし帰宅困難者が453万人と推定される首都直下地震では恐らく携帯が繋がらず、LINEですらすぐに使えるかも判りません。
(そもそも小さい子供に携帯は持たせていないケースが多い)
知らない場合6月から9月であれば給電が再開したのにエアコンが使えず、子供が熱中症に掛るかも知れません。
又、訳が判らず操作して冷房以外を選んでしまう可能性があるのでその点まで教える事が重要です。
次にそのまま停電が続き、あなたが帰宅困難者になる可能性があるのなら暑い時期にクーラーが止まればどの程度の時間経過でどのくらい室温が上がるかを家族で実験する事をお勧めします。(停電時は冷蔵庫を頻繁に開けてはいけない事に近い話)
これは小さい子供じゃなくてもいえる事で、夏場の日中に、うかつに窓を開けると急激に室温が上がり、熱中症の危険度を高める可能性があるからです。(朝や夜は恐らく大丈夫)
最近ではようやく災害時に備えて市役所にソーラーパネルを備えたり、電気自動車のディーラーと提携して急場しのぎの通電設備を設けたりしているので、近くに対策した公共施設があれば、そちらへ避難するように家族で申し合わせをする事も有効かと思います。
いずれにしても阪神淡路大震災の火災は震災後の通電火災といわれており、地震の影響を直接受けた地域では電力会社がすぐに通電出来ない筈です。
家族で巨大地震の行動を議論する場合、子供や孫に連絡が出来ない、そして暑い時期や寒い時期に長期停電が起こるかも知れない想定も加味して議論して下さい。
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