今年の冬、1月発表の長期予報で2月は本州全体が平年よりも気温が高いと予測されていました。
しかしどうでしょう、2月7日と2月18日からの数日は10数年に一度という強烈な寒波が襲い、九州から四国までも結構な雪が降りました。(最強最長寒波と報道された)
そしてニュース映像では元々雪が多い東北地方でも、『これだけ雪が積ったのは何十年ぶり』とか『雪は積るが一日二日でこれだけ急に積った経験が無い』などの地元インタビューを見掛けました。
3月に入ってからも当初の予報程では無かったですが関東で久しぶりの降雪があり、首都高も閉鎖された事は記憶に新しいところです。(春分前の寒の戻りもなかなかでしたね)
雪に関しては中国大陸からの猛烈な寒波と日本海の高い海水温が原因とされていますが、そもそも2月は全体的に気温が高いとしていた長期予報は何が根拠だったのでしょう・・・
実は2月7日のBBCニュースによると、EUの科学者は、1月の平均気温が産業革命前より1.75℃も高く、最も暑い1月だったと報じました。(当初はもう少し低くなると予測していたらしい)
なので1月時点では通常よりも気温が高くなる傾向は有ったが、その反面日本以外にアメリカでも突如として強烈な寒波が南下して一時期は話題になったほどです。(大統領就任式を室内で実施したりメキシコ湾岸でも大雪となりました)
そしてそれは、暗に長期での予測がますます難しくなったという現状の表れになります。
- 気候の専門家によると温暖化により北極側のジェット気流が蛇行し、これからも不意に北極圏の強烈寒波が流れ込みやすくなるとの見解もある
農作物に影響が出る事が問題です
2月10日頃は春野菜として栽培していたキャベツが不良と大きく取り上げられていました。
関東在住の農家の証言では雨が少なく気温が下がると地中の菌のバランスが変わり、キャベツに菌が付いて駄目になるらしい。(菌核病)
去年の末も乾燥が続いて野菜が高騰し、都内ではキャベツがひと玉1千円を超えるスーパーもあったそうですが、少し雨が降ったのに今度は寒波で菌核病が流行した時系列です。
地域によっては3割程が菌核病で出荷出来ないらしく、めざましエイトの取材でも『この一帯は全滅です』と農家の代表が説明していました。
他にも茨城県では白菜が不作で、外側の葉が凍って溶けてを数日繰り返す事で細胞が駄目になり、去年の雨不足も影響して内部がスカスカ、本来4kg以上に生育する品種が1.8kg程だった。(モーニングショーが取材した農家では既に9割の白菜が茶色になっていた)
白菜に関しては過去に雪に覆われた農地を紹介するニュースを見た記憶もあり、寒冷地用の種子が存在するかも知れませんが、茨城が日本一の出荷量なので野菜の高騰はしばらく続きそうです。
- 調べてみるとキャベツ・レタス・白菜は結球野菜に分類され、内部で結球が終わると寒さに弱いらしい(外側の葉が広がるタイミング)
- 野菜不足は農業も多い兵庫県にも波及し、2月下旬頃にはいつもの時間帯に買い物へ出かけるとパック野菜が全て売切れていました。 初めての出来事なのでちょっとビックリです。
冬の異常気象でも気象庁が正しく予測出来ればどうなっただろう
これ”もしも”ですが、気象庁が一時的に強烈な寒波がやって来ると正しく長期予報していれば、農家の方達はどうしただろう。
種まきの時期をずらしたり、農薬で菌の対策まで出来たかは判りませんが何らかの対応は出来たように思います。
他にも暖冬の予測と相反した異常な量の積雪。
Mr.サンデーだったと思いますが、新潟県上越市で想定以上に雪が積ってしまいキャベツは生育しているが、1m程の雪を除けてから収穫する事は現実的に不可能だと紹介していました。(労力がかかる上に雪で運搬車が農地に入れない)
今期は他にも雪が積り過ぎてリフトに当たり休業したスキー場や、野沢温泉スキー場で道路標識に手が届くまで雪が積りステッカーが貼られるいたずらが問題になっていましたよね。
私も過去に北陸出張でJpczと思われる猛烈な降雪を経験した事が有ります。
あの時は夏のゲリラ雷雨同様でスピードが速い大粒の雪と雷も鳴っていましたが、2時間程でやみました。
あの勢いで一晩中雪が降れば、そりゃ雪になれた地域だとしても都市機能は完全にマヒすると思います。
ここで一番言いたい事は気象も富岳クラスの高度なコンピューターで予測しているのに、何故これだけ近年は予報が外れるのかという点です。
場合によっては・・ですが、ひと昔前はベテラン気象予報士の経験や勘に頼っていたのが功を奏し、トータル的に農業への被害が抑えられていたかも知れません。
特に1週間天気は、風を使う商品を販売しているので頻繁にtenki.jpの予報を確認しているが、この数年はかなり精度が落ちたと思います。
もう4年前になるのかtenki.jp(日本気象協会)の予報を推奨していましたが、当時は3日先の天気と時間ごとの風速までも、ほぼ完ぺきでした。
当時は市町村別での1時間予報も少なかったし、あの頃はWNNよりも精度は上だったと判断しています。
しかしこの数年はどうでしょう、WNNは独自のカメラ(ソラカメ)を追加し、又、会員からの空の画像データーも組み込んだようで、地域によってはリアルタイム(当日)の精度がかなり上がったと番組で拝見しました。(CMによれば2年連続予報精度No.1に認定されたそう)
但しtenki.jpにしてもWNNにしても6時間後の予報が晴れから雨に変わるレベルの外れ方を最近は良く目にしています。
これはやっぱり温暖化の影響が強くなってきているのだと思います。
- 平均気温は10年に一度更新されますが、前回の更新以降から予報の精度が落ちた気もしています
海外の天気予報はどうなのか
先程『ひと昔前はベテラン気象予報士の経験や勘』についての見解を記載しましたが、だったら風土や方針が違うであろう海外はどうなのでしょう。
実はこの1,2年、海外でも天気予報が外れる事を時々取り上げています。
出来るだけ週一回は気候関連や異常気象の動画を見るようにしていますが、特に洪水に関する動画にはかなり予報に苦慮しているコメントが端々に見受けられます。
例えば北米でも24時間で急速に発展したハリケーンでは予報士が予測出来なかった事を謝罪(多くの犠牲者が出てしまった)し、ヨーロッパの豪雨被害でもキャスターがここまでの雨量は予測されていなかった等々のコメントが目立ちます。
PBS Terraでも以前、テーマの3割程を天候の予測が困難になっている事を取り上げていたので中長期の予報が外れているのは世界的な傾向だと思います。
まとめ
今後もっと温暖化が定着すれば、ある意味悪いなりに天気予報も安定する可能性は有りますが、過去の経験をベースに農業を計画すると急激な穀物不足が発生する危険性が有ります。
令和の米騒動もそうですよね、あの切っ掛けは一昨年新潟・秋田を中心に雨不足と高温が続き、米が白濁して収穫量が減ったのが根本原因だと認識しています。
また世界でもコーヒーやカカオの収穫量、そして料理に使われるオリーブ等も収穫が激減し、価格の高騰程度で終われば良いですが、これから先の見通しも悪いようです。
私もコーヒー好きなのでコーヒーの無い世界を想像したくはないですが、生きている間に上記の3種は壊滅したとのニュースも流れそう・・。
だから全員でCO2をはじめとする温暖化効果ガスの削減に勤しみましょう。
3月13日にギズモード・ジャパンから『太陽熱が地球の地震活動に影響するかも』との記事が流れました。
記事を読みましたが日本の研究チームの発表で、まだまだこれからの検証が必要だと感じました。
地震大国の日本としては、いずれにしてももっと温暖化対策を急ぐべきですね。
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