黒潮大蛇行の終息と気候ついて

今年5月、気象庁も7年9か月続いた黒潮大蛇行が終息する見込みと発表しました。

少し前から専門家も終息のきざしとTVでポツポツ話していたのですが、気象庁が発表したのでほぼ確実だと考えて良いと思います。

現時点では見込みと言う発表なので数か月後には訂正される可能性も有りますが、個人的にこの数年黒潮大蛇行の影響で関西中部・南部の気温が上がった認識なのでこのまま終息して欲しいです。

しかし大蛇行の終息がどの様に影響したのか6月と7月初旬はとんでもなく暑くなり、2025年初夏に何が起こったのか忘備録として纏めました。

私は普段から気温や風向きをチェックする延長で時々海水温も確認しており、今年の年明けから日本近海、特に西日本の海水温が落ち着いて来ていた認識が有って、かなり平年寄りに戻ったと感じていた2月の海水温を画面コピーしていたので先に紹介します。

※ここで使用する海水温の画像は、気象庁から誰でも確認出来るデーターです

ご覧のように年明けからこれまでのような真冬でも海水温が高い状況から変化し、ちょうど南海トラフ推定域では平年よりも冷たくなっていた事がお判り頂けるかと思います。

逆に前回の冬は太平洋側の東北と北海道で、近年で最高かも知れない程海水温が高く、黒色っていったい何度高いんだ?と思える結果となっていますよね。

この付近の海の水温が高いという事は、親潮が殆ど流れ込まなかったという結果ではないでしょうか。

今回の冬も海岸に死んだサンマが大量に打ちあがったというニュースは流れました。

有る程度の深さは暖かいのに表面付近だけ寒気で冷えていて、呼吸の時に身体が麻痺したのでしょう。

又、7月7日の日テレeveryによると、青森のホタテが暑さで稚貝が全滅し、来年は漁獲出来ない状態らしい。(今年も既に値上がり状態だが、それはタイの大群にも食い荒らされたそう)

この東北付近の暖かい海水塊が、大まかにいえば2年前は和歌山・三重付近に有った感じです。


しかしこのまま数年ぶりに気温が平年に戻ったのかと言えば6月17日からは全国的な猛暑が発生、複数の気候予報士が梅雨は明けたと言った途端に6月22日からは一転した大雨。

やはり一度壊れ始めた地球環境がどれだけ厄介なのかを多くの人が感じたと思います。


随分と以前に書いたイカナゴの件

あれから何年経つのでしょうか、このホームページを準備した頃に明石付近で取れるイカナゴが激減している件をブログに記載しました。

何故そうしたかと言うと、一部の専門家が工場に対する規制がきつくなり、川へ流出するリン等の栄養素が減り、瀬戸内の海が綺麗になったからだと説明していたからです。

いや、絶対海水温の上昇が原因だろうと思っていたので温暖化の脅威を伝える目的で内容を作成しました。

現時点でこの時の分析も正しかったと思いませんか?

一般的にも水温1℃の上昇は、気温に換算すると5℃とか7℃の上昇に値するそうなので、3℃、4℃の水温上昇では生存出来ないですからね。


6月5日のミヤネ屋で取り上げた『深刻な不漁 原因は黒潮大蛇行?』

この日ミヤネ屋では漁業の不漁と黒潮大蛇行の関係性を特集していました。

日テレ系は時々海の異変を特集しており、日曜日のバンキシャでもサンゴや藻場の事を取り上げていますよね。

読売テレビのミヤネ屋も海外の異常気象を時々取り上げるのですが、多いのは海外メディアの動画を流して終わりだが、この日は専門家を呼んで偏西風の移動と大蛇行の関係などしっかり解説していました。

番組は冒頭愛媛でのカツオ豊漁から始まり、函館のスルメイカの不漁(11隻で数匹)や茅ヶ崎と静岡でのシラスの不漁を報じ、黒潮との関係を解説していました。

※静岡のシラスは2015年8549トンから2024年2096トンに減少。 但し6月9日のNスタで前半はシラスの不漁を纏めたが、5月に1日300kgの収穫で一か月間漁を取りやめたところ、同日6月9日は2トン越えの漁獲があったと補足していた。(大蛇行終息が早速影響か?)

番組内でシラスの減少は黒潮大蛇行の影響と説明されていましたが、個人的にはシラスもイカナゴも体が小さいだけに移動可能距離が短く、海水温の上昇をまともに受けるからだと思います。

※シラスの成魚であるカタクチイワシが14cm、イカナゴも成魚で15cm前後といわれている

因みに明石付近で減ったイカナゴは、数年前に宮城県沖で大量に捕獲されているとニュースで見た事が有ります。

大昔から宮城沖に生息していたのか、船のバラスト水に混じって仙台港等に逃げ延びたのか、適性する海水温などの環境が1000km近くも北上した証明でしょう。

同日のミヤネ屋で、近畿大学の有路教授はそれぞれに理由があるとしながらも、黒潮の蛇行によって伊勢湾・三河湾のイセエビ・イカナゴ、三陸沖のサケ・サンマが減少。

逆に関東から東海に掛けてカツオ・マグロ・ブリが、そして三陸沖でイセエビ・太刀魚が豊漁になったと解説していました。

又、有路教授は温暖化と海水温の上昇をハッキリと関連付けており、いま温暖化を何とかしなければと活動している我々としては有難い内容でした。

今更ですがカツオなんて高知の名産ですよね、イセエビも私が小さい頃は伊勢だけで獲れるイメージですが、これだけ既に変化(北上)してしまたのです。

有路教授は黒潮は栄養分が無く、プランクトンが少ないから真っ黒に見えると解説しており、伊勢湾と三河湾の不漁は大蛇行で分流が流れ込む影響だと補足していました。

(黒潮は暖かいので栄養分が豊富だと勘違いしていた人も多いのでは?)

他にも6月12日のモーニングショーでも海の異変として佐渡のクロマグロが例年5月0.9トンから今年50トンと豊漁。 

銚子のキハダマグロも去年5月71トンから今年800トンと豊漁など、東北・北海道を除く地域で本来の漁獲量が戻って来たと解説していました。 

冒頭で紹介した海水温が平年に近づいた地域では豊漁で、北海道のスルメイカなど高温が未だ続く地域では本来取れる魚種が減った事が明白ですよね。

海流と温暖化の因果関係が未だハッキリ解明とまではいかない認識ですが、食の安全に直結する内容です。

一人ひとりが出来る対策を行う必要性を強く感じて欲しい。


黒潮大蛇行と夏の気温について補足

黒潮大蛇行と、特に関西の気温について補足します。

過去の経験上、四国沖や和歌山沖の海水温が高い時に大阪市や兵庫南部は暑くなる認識が有ります。

特にほぼ南風の日は、会社の有る川西市がかなり暑くなるケースが有り、ここ数年全国の猛暑日記録で豊中市が3番以内に入りましたが、その日は豊中の北に位置する川西市も相当暑い!

山沿いにあたる川西市は海抜80m程度ですが、豊中の暑い空気が小さい山を越えるので、弱いフェーン現象なのかこっちの方が暑いんじゃない?、と思う日もたびたび。

(川西には気象庁の観測点が無いので記録に残らない)

だからWindリーダーを開発した場所は、かなり暑い日もある環境で効果を確認しています。

去年関西のローカルニュースで豊中市が暑くなる理由として、大阪市内のヒートアイランドにより加熱された熱気が、緩い南風で豊中方面に流れ込むからだと解説していた。


異様に早かった梅雨明けについて

6月30日にモーニングショーで異例の速さで明けた梅雨の原因を解説していました。

東京大学 大気海洋研究所 宮川准教授によると、東南アジアの海水が平年より高くて積乱雲が発生し、北側にある日本付近で気流が降下した。

結果チベット高気圧と太平洋高気圧が発達して偏西風を北に押し上げたそう。

専門家のデーター分析なので正しいとは思いますが、私が記録していた6月末時点の東南アジアの海水温データーではそれ程平年に比べて高くは無かったです。

なので恐らくは、梅雨明けの数日前から急に海水温が高くなったのでしょう。

夏至の前後に快晴が続けば恐ろしく暑くなり、しかも最高気温が15時や16時になった事も今年の異常な6月の特長かと思います。

6月末時点の海水温(上が平年差、下が海水温度)

平年差では無く、海水温そのままの水温では広く30度を超えている

これらの関係なのか6月末は14時では無く16時が最高気温になっていた

※因みに6月後半から異常な暑さだったのは日本だけでは無く、西ヨーロッパと表現すべきかスペイン44度、南仏40度などとんでもない猛暑になっていました。 既に世界規模で異変が発生しています。(BBC情報)


梅雨時である夏至の直後に快晴が続けば、海水温も一気に上昇する

今年の夏は過去の最高気温を塗り替えそうな勢いですが、太陽が最も高い夏至の前後に快晴が続くと動植物に生命の危機が訪れる事がハッキリ判りました。

ネットでも蚊が少ないとか蝉が鳴いていない事が話題になり、全国各地でその影響が伺えます。

又この時期は、鶏が産んだ卵の殻がフニャフニャだった衝撃のニュースも流れましたよね。

特に7月7日は全国的に酷暑となり、僅か数日間で海水温が急上昇した履歴もここに張り付けますので7月7日と6月29日を比較して下さい。

1週間ちょっとでここまで海水温が上昇するのは明らかに異常です。


更に温暖化が進めば台風の数は減るが、大型化する

黒潮が元に戻りつつある影響かは定かではないですが、今年もう一つ特異な事は、台風1号の発生がかなり遅かった事です。

※6月10日、日本気象協会から今年はエルニーニョもラニーニャも発生していないと発表があり、台風に関しては黒潮よりも南米近海の過渡的な変化が関係している筈

これは良い事ばかりかと言うそうでは無く、台風の数の変化は温暖化シュミレーションでも既に分析済みです。

6月8日テレビ東京系で放送された『異常気象SOS』で、台風・豪雨の第一人者 名古屋大学/横浜国立大学の坪木教授が次の要点を解説していました。

  1. 海水温が1℃でも変化すると台風は大きく変わる
  2. 地球上で最も海水温が高いのは西太平洋である(1959年から2024年時点で既に1℃上昇)
  3. 温暖化が進むと台風の数は減るが、強い物(台風)はもっと強くなる

今後の見通しとして台風が、2076年には880hPaで日本へ上陸すると締めくくっていました。

(参考:最近は年1、2個程発生しているが、900hPaを下回った時点で相当猛烈な台風です)

更に三重大学の立花教授は台風は大型化する事によって『移動速度が遅くなる』と追補していました。

台風の移動が遅くなると、実被害が長時間発生するという事ですね。

この番組でも気候を少しでも正常に戻すためにはCO2の削減が必要と繰り返し語られていました。

余談ですが地球温暖化に少しだけ関心を持つ方は、何故もっと影響が大きいとされるメタンやフロンもテレビで解説しないの?、と疑問に思うかも知れません。

私も少し補足すれば良いのにと思うが、既に専門家は内容を省いているのです。

二酸化炭素CO2は接合点が2つ、メタンCH4は接合点が4つと熱エネルギーが振動に置き換わった後に2つよりも4つの方が長く、そして沢山の熱エネルギーを保持します。

しかし炭素Cに4つも水素Hが繋がっているメタンは軽く、およそ11年で成層圏に昇って紫外線や宇宙線で分解されます。(フロンも似たようなもの)

それに比べ二千年を超えても分子構造を維持出来る二酸化炭素CO2の方が圧倒的に厄介です。

だから現在地球に生存している人間は、頑張ってCO2を削減しなければ将来自滅してしまいます。

Windリーダーはそのような危機感から開発された商品なのです。

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