- アメリカで過去に無かった竜巻が発生
12月になり、もう北半球では異常気象は発生しないと思っていましたが、10日夜から11日に掛け、アメリカ中西部と南部でこの時期過去には無かった竜巻が30程発生し、甚大な被害が発生しました。
メキシコ湾から暖かい空気が流れ込み、10日の日中には26度近く気温が上昇したところへ夜は上空マイナス30度の寒気が流れ込んだのが要因とされています。
14日のBBC報道を要約すると、10日夜に6つの州を襲った猛烈な竜巻は、322キロ以上の範囲にわたって被害をもたらし家屋や企業に被害が出た。
ケンタッキー州ではろうそく工場が崩壊し、イリノイ州のアマゾン物流センターも一部が崩落した。
米国立気象局の分析によると、アマゾンの物流センターを襲った竜巻は最大風速が時速241キロ(約67m/S)にまで達した。
威力はサッカー場ほどの大きさの建物の屋根がはがれ落ち、暑さ28センチのコンクリートの壁が崩落するなどした。(以上BBCから要約)
参考:風速67m/Sを1気圧で単純計算すれば、真正面の風なら1平方メートル当たりに280kgf掛かる。
この他に州知事や地元住人のインタビューで、一夜にして町全体が無くなったと話していたのも印象的です。
大統領選挙で中西部では保守層が多いと認識していましたが、今回の竜巻でアメリカの世論はもっと脱炭素に舵を切るかも知れません。
春先に竜巻が頻発する地区から離れた場所との記事も有りましたが、インタビューで老人が『生まれ育った町が一夜にして消えてしまった』と話していましたので、1フレーズ上がった気候変動の兆候と捉えて良いと思います。 ご老人が70歳なのか80歳なのか、その期間は今回の規模の被害が無かった訳ですから。
- 地球規模でジェット気流がうねった影響かも知れない。
アメリカの竜巻被害を受け、ネットでは温暖化の表れと主張する意見と、最後に触れますが全てを温暖化に結び付けるのは間違いとする意見も散見されました。
尚、アメリカの気候学者も現時点で温暖化が原因だと特定は出来ないと発言した記事も有りました。
他の要因とは・・・
ジェット気流は大きく寒帯と亜熱帯の2ルートが北半球・南半球にそれぞれ存在します。
実は大西洋を挟んだスペインで、同じ10日ごろから北部などを豪雨が襲い、エブロ川が決壊して過去20年間で最悪といわれる洪水が発生、複数の地方に被害をもたらしたというニュースも有ります。
又、12月6日にはハワイで豪雨による洪水が発生し、天文台が有るマウナケア山では猛吹雪だとニュースが流れました。
少しさかのぼれば日本でも、今年の寒さは厳しいとの長期予報が訂正されたほどジェット気流の通過位置が北上し、12月初旬から北海道を中心に台風並みの暴風が発生したのも記憶に新しい。
更に少し前、11月中旬エジプトで洪水によりサソリが街に流れ込んだニュースを皮切りにインドでも季節外れの洪水が発生したので今回はジェット気流の大きな変動が西から東へ影響していった様に思います。
以前記載した地軸の変動もNASAが調べた事実なので、今回の竜巻を全て温暖化の影響とするのは時期尚早かも知れません。
地軸の変動も温暖化の影響も両方出ているのが真相のように思いますが、分野が異なるためか、総合的に判断した文献が未だ出ていないようです。
因みに地軸のずれは今発生しているというより数年前に大きく発生したずれが今も気流に影響していると考えるのが正しいでしょう。
単純に言って長期予報が大きく外れる時点で何らかの要因が有る訳で、学者が新たな知見を早く見出して欲しいと思います。
いずれにしても今年は気候に関する予報が外れる事が多かったと思います。
- 今年は12月になってもアジア各地で異常気象が発生
今月に入ってアジアでも異常気象が各地で発生しており、現時点の内容を纏めました。
12月16日にフィリピンを襲ったスーパー台風(台風22号)では最大風速83m/Sと言われています。
こちらは台風なので、威力は違ったと思いますが日本を襲った可能性も有ります。
先程の単純計算に0.9気圧を当て嵌めると83m/Sは正面の風で1平方メートル当たりに387kgf掛かり、事実多くの被害が出ています。
他に余り報道されていませんが、マレーシアでも平年に無い豪雨で洪水が発生したり、中国の山峡ダム付近でも洪水が発生したとの情報も出ています。
気候変動に否定的な人も、そろそろ現実を見た方が良いと思います。
自身が被害に遭って、初めて気づいても後の祭りです。
時間は戻せません。
- トヨタがEV化推進を発表し、日本の世論に変化が起こるかも知れない
今回の竜巻に対するコメントもそうでしたが地球温暖化を心配する意見の一方、温暖化を否定する人が日本には多く存在するようです。
そのような人たちは毎年暑くなっている夏をどう体感しているのかが本当に不思議でならない。
COP26に関連したYahooコメントを客観的に見ると、脱炭素はEU諸国の戦略と考えている人がそこそこ存在しているように感じます。
事実11月17日の『NHKスペシャル EVシフトの衝撃』で、ルノーの会長が『産業を我々の国に取り戻したい・・EV化を進める事で、我々は世界の自動車産業の中心に返り咲けるのです』とハッキリ明言していました。
日本は自動車産業に携わる人が多い為、この様な発言から脱炭素が欧州の陰謀だとつなげる事に少し影響していると思います。
ルノーの会長は、本音がそうでも発言を控えていた方が良かったのではないでしょうか。
NHKも番組のタイトルに沿うため意図して発言を誘導したのかも知れません。
しかし12月14日、トヨタは全方位戦略として残していた電気自動車の戦略を2030年までに30車種350万台へと上方修正し、世界のEVシフトに沿う発表を行いました。
(現在EVシェア1位のテスラ社50万台よりかなり多い台数)
今までは利便性に不安が残り、水素エンジンに注力していたからだろうかEV化だけでは脱炭素を実現出来ないとの立場だったのを大きく変更したかたちです。
(電気を作る発電所でCO2を排出する限り、水素エンジンの方が脱炭素に優位と考えていたと思う)
日本の潮流が脱炭素へ加速するかも知れない
先程も記載したように日本では自動車業界に携わる人口が多く、世界各国が2030年から始めるガソリン車の販売禁止(EUではハイブリッド車も)に反感を持つ人が多かったと想像します。
しかし自動車販売台数世界1位のトヨタがEV化を表明した事で、これまでの感情的な拒絶感が薄まる可能性が有ります。
何故ならEVは電気を充電するので発電所自体も脱炭素を進めなければならず、官民合同で再生可能エネルギー化を進める方向に加速させないと、COP等のCO2削減目標が達成出来ないからです。
これが理想通りに進めば日本が不利になる事はなくなり、逆に技術大国日本を自負する人々もCO2削減を推進する潮流に加わると想像します。
EV推進の障害については自動車業界出身者、且つ電気の有資格者の立場から後日追記するとして、潮流と言えば、何故日本は潮流発電を進めないかが不思議です。
渦潮で有名な鳴門を始めとして瀬戸内海の潮の満ち引きは安定した相当なエネルギーだと思うのですけどね・・・。
漁業権との兼ね合いなのか、そろそろそんな事を言える状況では無いと思いますが、是非Windリーダーも含めた自然エネルギーの活用を推し進めて頂きたい。
日本には、もうすぐ実現出来そうなCO2削減のハイテク技術が多数有ると信じていますが、それらが実現するまでWindリーダーのような合理的なローテクも有効です。
先程の潮流発電と、海外では稼働している原理自体がローテクな重力発電の組み合わせが直ぐに実行出来る再生エネルギーの活用法です。
潮流のエネルギーを太陽光が活用出来ない時間帯に回すだけで各種火力発電の負担が減ります。
今は温暖化の加速を遅らせるべき、同様の考えを持つ方が増える事を望みます。
【先頭へ戻る】
0コメント