今年の夏、世界に影響を及ぼしたジェット気流の蛇行

今年の夏ヨーロッパでは500年に一度といわれる熱波と水不足、アメリカでも西海岸で水不足が進み、逆に普段雨の少ない地域で洪水が発生するなど世界的に異常気象が発生しました。

日本も6月から各地で猛暑が続き、東北と北海道に豪雨被害が出るなど今までより顕著な異常が発生したと思います。

そこで9月に入り、10月までは平年より気温が高いと予報されていますが、記録の目的もあり今年の夏の情報を纏めました。


温暖化が進行しているのか8月31日でも各地で猛暑日を観測

かれこれ40年前は『お盆を過ぎたら海水浴に行ってはいけない』と周囲の大人から教育されました。

しかし今年の暑さはやっぱり異常、お盆どころか8月末に、これ程残暑が厳しかったのは過去に無かったと思います。

それにこの時期になっても夜がとても暑い。

因みにお盆を過ぎたら海水浴に行ってはいけないというのは迷信ばかりでなく理由があり、この時期から海の中の水温が少し沖とか浜辺近くでも海面1mから急に冷たくなり、足をつって溺れる事故が多いからだと昔ニュース解説で見た記憶があります。


8月31日は前日の天気予報からすると雲の影響なのか少しは減りましたが、それでも徳島県穴吹市37.1度を筆頭にアメダス34地点で猛暑日となりました。(我が居住地は朝まで35度予報だったが結局33.5度止まりだった)

今回は太平洋高気圧と台風11号の影響で広い地域が高温になったとは思いますが、台風の進路を解説した海水温の分布を見てビックリ、もう9月なのに鹿児島県屋久島付近まで30度、高知と和歌山の潮岬近辺まで29度の色となっていました。

この様な海水温なら南寄りの風が吹けば各地で35度を超え、夜が暑いのも納得です。

因みに海水温の分布は主に台風の時しか報道されませんが、今はいつでも確認する方法が有ります。

Edgeを開くと右側に現在気温が表示した”詳しい予報を見る”というアイコンが有るのをご存じでしょうか。

そこから地図をクリックすると世界地図に風向きの矢印と、選択項目には気温や雨、その他湿度が重ねる事が出来て、正確性は少し落ちる認識ですが海上の気温もマウスを移動させると確認出来ます。(海上は恐らく海水温だと思います)

8月31日の17時半に調べたところ、18時時点の予測で潮岬沖、明石沖が29度、大阪湾でも28度なので少々南風が吹いても今夜は気温が下がらないな…と悟り、実際にもそうでした。

※Edge(Microsoft Start)の気温予測は右下にデータ提供元を明記していますが、少し上空の温度を計算しているのか陸上の温度は少し低めに出ます。 地図上で各都市の温度が判り便利ですが、低めに表示するので熱中症の予防に使う場合は注意をして下さい。


パキスタンの大洪水は氷河湖決壊洪水の影響も大きい

8月26日パキスタン北部 カラムの高級ホテルが洪水で崩壊する無残な映像が多くのメディアで流れました。

パキスタンでは大雨が6月から断続的に続き、8月末時点で国土の3分1が水没したと伝えられています。

現地のシェリー・レーマン気候変動大臣によると、カラムでのホテル崩壊は雨の影響の他に『温暖化による氷河の雪解け水が川底を駆け抜ける氷河湖決壊洪水だ』と説明しています。

(ヒマラヤ山脈の麓の川を鉄砲水が流れる動画も有ります)

ヒマラヤの氷河といえば、去年インド北部で氷河の雪解け水に頼っていた部落が氷河が無くなり移住せざるを得なくなったとBBCの動画で見ました。

今でもYouTubeから”BBC 氷河”と検索し、その中の”…水を求め村を離れる”を見ると、1984年と2021年の航空写真の比較で温暖化によりヒマラヤ山脈全体の氷河がかなり減少していると判ります。

尚、色々情報を見るとパキスタンでは毎年のように氷河湖決壊は起きており、しかし今年は例年の3倍の規模で決壊が発生したそう。

この地域では5月中旬からインドの北部で50度近い気温になり多くの被害が出ていると報じられていましたが、インドの西に隣接するパキスタンでも同様にかなりの高温が5月中旬から続いたそうです。

更に本来の雨季は7月から8月なのに6月から豪雨が続き、氷河の融解が壊滅的に進んだと思われます。

そして最後に追い討ちを掛けたのがジェット気流の蛇行による豪雨です。


今年の夏、世界に影響を及ぼしたジェット気流の蛇行

パキスタンの大洪水が報道されてから約1週間後、NHKと、確か報道ステーションでもパキスタンの豪雨はジェット気流の変動が影響していると解説していました。

今年のヨーロッパの熱波、少し遅れて発生した中国の熱波の間にパキスタンが位置していると地図で説明し、北海道でしばらく前線が停滞したのと類似の気象によってパキスタンに豪雨が続いたとの内容でした。

ヨーロッパの熱波と水不足は500年に1度の状況と言われていますが、来年以降、この気流の変動が何年続くのかが心配です。

この記事を纏めている9月2日、今年の梅雨明けが6月下旬から7月下旬に見直されたとの報道が有りました。

偏西風の南下が今回予測出来なかったとの気象庁見解ですが、今後はヨーロッパからアジアのジェット気流の流れた軌跡を1週間分、天気予報で纏めて流すという提案はどうでしょう。

一つは次世代の真鍋博士が現れる確率を増やす目的の提案ですが、農業でもそう、3週間後の天候を予測するため必死に見ていると、何かに気付いたり、少なくとも傾向を読み解く人が多く出てくるように思います。

今年から外れる可能性が有る前提で線状降水帯の予報が始まりましたが、失敗を重ねていずれ精度は上がるでしょう。

それと同じで気流の軌跡を多くの人が見る事で、富士山に雲が掛かれば雨のような部分的に理にかなった知見が生まれると思います。

これだけ各地に豪雨や雹の被害が出始めたのであれば、農産物を守る視点から多くの新たな知見を持つ必要が有ります。

将来はジェット気流を見て自己判断で収穫の時期を早め、被害を少なくするなどメリットが有るかも知れません。


尚、9月2日は偶然ノーベル賞を受賞した真鍋博士の文化勲章伝達式を日本テレビ系で放送していました。

そのインタビューで『10年に1回起こる大洪水がこの頃は毎年起こっている』と最近の気候変動に博士が警鐘を鳴らしていました。

最後は『今後治水に力を入れて欲しい』と話を結んでおられましたが、真鍋博士から見て当初の予測から今年の夏は何十年温暖化が進んだのかをアバウトでも教えて欲しいものです。

我々は次の世代の事を考えると進んだ年数分は必死に取り戻さなければならないのであって、初期の2100年の予測では世界が正常に活動できる状況とは思えません。

その2100年予測の状況がどれだけ早まっているのか・・・。

今から温暖化ガスをゼロにしてもしばらくは気温上昇が続くといわれていますが、それでも出来る限りの努力をするべきでしょう。

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